「恋愛したい!でも失敗するのはイヤだ…」令和に“若者の恋愛離れ”が進むワケ
恋愛至上主義時代のプレッシャーがなくなってきた
そういった“若者たちの内面の変化”に、さらに“世間の価値観の変化”も加わっていることで、「若者の恋愛離れ」が加速しているように感じます。 90年代に恋愛ドラマが全盛期を迎えたことなどがきっかけとなり、90年代から00年代にかけては、「恋愛はしていて当然」、「恋人は絶対にいたほうがいい」といった空気感が、当然のように蔓延していました。 昨今は価値観の多様性が重んじられ、恋愛なんてしてもしなくても個人の自由という考えが一般的ですが、当時は恋愛至上主義のような価値観が“正義”とされていたのです。 さらに恋愛至上主義はエスカレート。ともすれば「好きな人がいないのはおかしい」、「恋人がいるほうが偉い(優れている)」、「童貞・処女でいるのはよくない(劣っている)」といった、過剰&異常な“正義”がまかりとおっていたこともありました。 とはいえ、そういった“正義”が働いていたからこそ、昔は恋愛に興味がない人や異性が苦手な人でも、「恋愛しなくちゃ!」、「恋人を作らなくちゃ!」、「童貞・処女を捨てなくちゃ!」といった“圧”を感じており、ほとんどの人が恋愛に駆り立てられていたのです。 価値観の多様化によって、「恋愛はしない」というスタンスも尊重されるようになり、いまは恋愛至上主義時代の“正義”によるプレッシャーや強要もなくなっている。それが「若者の恋愛離れ」を後押ししているのではないでしょうか。 <文/堺屋大地> ―[ゼロ恋愛 ~経験値ゼロから学ぶ恋愛講座~/堺屋大地]― 【堺屋大地】 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi
日刊SPA!