松山千春がラジオで復帰、冠動脈バイパス手術で入院「体力が必要だってつくづく感じました」

狭心症の病状悪化で冠動脈バイパス手術を受けたフォークシンガーの松山千春（68）が13日、FM NACK5「松山千春　ON THE REDIO」（全国15局ネット）に出演し、札幌・STVラジオのスタジオから5週ぶりに復帰した。 番組冒頭、千春は「9月1日以来、またまたマイクの前に立たせていただくことになりました。無事に手術も終え、退院して、こうして番組が始められることになりました。本当にありがたく思う」などと、周囲への感謝の言葉を述べた。 　千春は、8月11日の放送で「狭心症が悪化している」と告白。10月11日から始まる予定だった、全国22都市での秋の全国ツアーを中止した。 千春によると、秋のツアー前に体のメンテナンスのために検査を受けたところ、医師から狭心症の悪化が指摘され、「手術が最善の治療法」「手術と回復に3カ月程度を要す」と説明されたという。 千春は札幌市内の病院に入院。約1カ月間に及ぶ糖尿病の治療を行い、9月1日の生放送の翌2日に手術を受けたという。その時は「意外に簡単に行くものだな」と思ったそうだが「全身麻酔をしてからの記憶が全くない。とにかく目が覚めたら集中治療室（ICU）にいた」と振り返った。 　ICUには7日間入っていたと言い「本当にやることがないんだよ。とにかくベッドに寝ていて、あの時はどうやってめしを食ったのかも今となっては覚えていない。その後に一般病棟に移ってからは『あー、こんなめしなのか』って思ったけどな」と話した。 　さらに、「それにしても入院生活は長かった。日曜日が来るたびに早くラジオに復帰したい、そういった気持ちだけは持ち続けてきた」と話す一方「ラジオの番組は復帰したけど、コンサートは、まだ無理だよな」と神妙な面持ちで語った。 千春は「患者するのも体力がいるんだよ。本当にそう思った。だから日頃から元気よくなくちゃダメだってことだな。あとは、早いうちに治せるものは治した方がいいってことだろう。結局、長い間、患者やりましたが体力が必要だってつくづく感じましたね。とにかく入院中、歌のことは全然、浮かばなかった。歌のことを考えている余裕がなかったってこと。それよりも病室で白い壁を見ながら自分の身体がどうなっていくのかってことだったような気がする。いずれにしても、手術後は、今日に至るまで歌は歌っていません、口ずさんでもいなかった。やっぱり声がちゃんと出るのか、自分でも不安な部分があってね。でも、歌えるようになると思います。まずは、みんなの前に、こうやって元気よく帰ってくることが出来たのですから」と前向きに語った。 　しかし、入院中も、気になったのが能登半島での豪雨災害だったという。 「1月の大震災に続いて9月21日の豪雨被害…。大変なことが2回も起こった。この番組は北陸放送（石川県）でも放送していますからね、被災地のことは病室ではありましたが心配でならなかったですね。いろいろなものを失ったとは思いますが、何としてでも乗り越えて、新しい1日を…。とにかく1人でも多くの方々が、普通の生活に戻れるようにとの思いでいっぱいでしたね。北海道も地震の多いところですから。これは本当に、他人事ではないんですよ。ですから、俺も能登の方々のために何が出来るのだろうか、何をすべきなんだろう、そう思い続けていました」と、能登の被災地をおもんぱかっていた。