最終回も大反響『光る君へ』…吉高由里子ら京都で撮影振りかえる、柄本佑「今は頭が真っ白です」
吉高由里子主演で、平安時代の女流作家・紫式部(ドラマの名前はまひろ)の生涯を描いた大河ドラマ『光る君へ』。最終回が放送された12月15日に「国立京都国際会館」(京都市左京区)で、パブリックビューイングを開催。吉高や藤原道長役の柄本佑に加えて、脚本の大石静、制作統括の内田ゆき氏から、今だから語れる裏話が次々に飛び出した。 【写真】イベント前、平安神宮と上賀茂神社を訪れた吉高由里子・柄本佑 応募総数約1万6000件から選ばれた観客は、倍率ほぼ11倍を勝ち抜いた1256人。なんと台湾から訪れた人もいて、あらためて本作の人気の高さを感じさせた。放送終了後に、吉高と柄本が観客席の後ろから通路を通って登場。 「皆さんの熱量で空間の気温が高い(笑)。どこかでまだ終わってないような感じだし、すごく寂しい気持ち」(吉高)、「まさに見終わったばかりの人たちの前にいるのが不思議。今は頭が真っ白です」(柄本)と、特別な状況への興奮と、最終回の感慨を隠しきれないようなコメントが出てきた。 大石は、まひろと道長の関係について「道長は一途で気持ちをまっすぐ伝えるけど、まひろは難しい人で、それをかわしていく。私的にはずっと、道長は振られているという気持ちで書いていました」と、その本質を最後の最後に明言。柄本が「このパンチ当たるだろう! と思ったら、ひょいと避けられるみたいな。そんなやり合いがスリリングで、楽しくもありました」語ると、吉高も「感情のぶつかり稽古でした。まひろも道長も下手くそだよね、惚れたはれたが」と、その掛け合いを振り返った。 またトークの途中で演出の話が出ると、プレトークに出演していた中島由貴チーフ演出が、飛び入りで登場。道長とまひろのもどかしい関係を見せるために、2人の座る位置や目線の交わし方にとことんこだわったそう。中島氏が「目線がズレている方がちょっとドキドキするし、見ている方をじらしたいという気持ちもありました」と、多数の視聴者を「みちまひ」沼に落としたその手法を明かすと、吉高が「じれった過ぎるでしょう! 私全然、妾でよかったのに」とぶっちゃけて、客席が笑いと拍手に包まれた。 さらに最終回の道長の、心配になるほどのやつれ具合は、柄本いわく「(第42回の)宇治川のほとりの道長を見た中島さんに『もうちょっと(やつれて)』って言われた」という成果だったが、「そのあと本人にそれを話すと『いや、私そんなこと言ってないよ』って(笑)」という、真相は闇の中な話も出てきた。 無事に全48話が放送され、柄本は「クランクインの平安神宮では、撮影が終わるまで雨がもったりとか、天気が奇跡的に味方になった作品。天気が味方になる作品は、すごく良い作品と僕は思っているので、その一員になれたのが誇らしいです」と感想を話した。 さらに吉高は「終わってしまうのが寂しいぐらい、この作品が自分のなかに染み込んでいってるんだと思うと、嬉しくもあります。ずっと皆さんの心のなかに残って、光ってくれるような作品になれたらと思います」と願いを込めた言葉を。柄本が翌日に38歳の誕生日を迎えるということで、会場の全員でハッピーバースデーの歌を歌うなど、非常になごやかなラストイベントになった。 『光る君へ』最終回の「物語の先に」は、21日午後1時5分からNHK総合で再放送。12月29日には総集編(全五巻)が午後0時15分~4時3分に放送される。さらに今回のトークショーの模様は、12月29日午後4時3分からNHK総合で放送予定。 取材・文/吉永美和子