瀬戸田はどっち? しまなみ自転車惑わす二つの案内板 設置の広島県、見直しへ
広島県尾道市因島大浜町の丁字路に、そこから同じ方面にある「瀬戸田町」と「生口橋」を左右に違う方向の矢印で案内する2枚の看板があり、通過するサイクリストたちを困惑させている。いずれも県が設置した。県は「紛らわしい表記だった」として、このう1枚について表記の変更や撤去を検討している。 【写真】瀬戸田はどっち? しまなみ自転車惑わす二つの案内板【地図】自歩道出入り口 看板は、瀬戸内しまなみ海道の因島大橋から下りる自転車歩行者道(自歩道)が国道317号と交わる丁字路にある。一枚は自転車のデザインと一緒に行き先を生口橋として右方向の矢印を記載。別の一枚は、その生口橋を通って行く「瀬戸田」について逆の左向きの矢印がある。 さらに、手前には生口橋は右とする市設置の看板もある。「瀬戸田」も「生口橋」も同じ方面にあるはずなのに左右に分かれた案内が混在し、土地勘のないサイクリストたちを混乱させている。 県東部建設事務所三原支所によると、自転車のデザインと一緒に「生口橋は右」と示した一枚は1999年度に設置。生口橋には左右どちらの道からでも行けるが、起伏が少なく海沿いで眺めもよい右方向の道をサイクリングの推奨ルートとしている。 一方、「瀬戸田町は左」としたもう一枚は99年より前に設けたようだが、詳しい時期は不明。アップダウンはあるが距離は短いため、そのまま残したとみられる。 市観光課は昨年10月、住民の指摘を受けてこの看板の修正を同支所に要望。同支所はバイクなどの利用者には右方向が近道であり、間違った案内ではないことなどから、そのままにしてきた。 ただ、サイクリストで道案内もする吉原彰利さん(66)=同市向島町=によると、看板を不思議そうに見たり、スマートフォンで現在地を確認したりする人は後を絶たない。「途中で道に迷い、二度と来たくないと思うのでは」と懸念する。 同支所維持課の掛之内一宏課長は「バイクの運転手も含め、迷わないことが一番。表示内容の変更や、看板そのものが必要かも含めて検討する。推奨ルートを通ってサイクリングを快適に楽しんでほしい」としている。
中国新聞社