S&P500種、年内に米利下げなければ8%下落も-RBCキャピタル
(ブルームバーグ): RBCキャピタル・マーケッツのストラテジストらによれば、投資家は米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期について楽観的過ぎ、もし年内に金融緩和がなければ、米国株は8%下落するリスクがある。
ロリ・カルバシナ氏率いるチームは、予想される企業業績とインフレ、金利の見通しに基づき、S&P500種株価指数に関する3つの年末シナリオを示した。
FRBが金利を現在の水準に据え置き、インフレが予想以上に堅調で、米10年債利回りが5%未満にとどまる場合、S&P500種は4900まで下落する可能性があるとストラテジストらはリポートで分析。また、企業利益はアナリストの平均予想ほど伸びないとみている。
もしFRBが予想通り利下げに踏み切ったとしても、企業利益が予想を下回った場合、S&P500種は現行水準より約5%低い5100前後で取引されるだろうとカルバシナ氏は想定している。
3つ目の弱気シナリオは、しつこいインフレがFRBの利上げにつながった場合、S&P500種が16%近く下落するというものだ。
米国株は今年、史上最高値を更新。FRBが利下げに踏み切るほどインフレが急速に緩和するとの見方が背景だが、最近のデータは労働市場の強さを示し、株価上昇が停滞気味だ。
スワップデータによると、投資家は現在、12月までに利下げを1回しか見込んでいないが、それでも楽観的過ぎるとカルバシナ氏は主張。
低所得者層への圧力が経済成長への懸念に拍車をかけていることから、「FRBが今年何もせず、インフレが予想よりしつこければ、米株式相場にはある程度の緩やかな下振れリスクがある」ともコメントした。
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原題:RBC’s Calvasina Sees Risk of S&P 500 Sinking 8% If No Fed Cut (抜粋)
--取材協力:Farah Elbahrawy.
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Sagarika Jaisinghani