「『断れない私が悪い』と言わされた」三菱UFJ信託銀行子会社でセクハラ被害受けた元社員「親会社の責任問う」控訴審開始
「親会社の社会的責任が問われることを期待する」
仕事にやりがいを見い出していた当時の原告。「一縷(いちる)の望み」として、親会社である三菱UFJ信託銀行の人事部に対してセクハラ被害を受けていることを文書で訴えたが、心ある回答はなく、「大好きだった業務、会社を諦めざるをえない」と決心した。 「(子会社へ)出向者を送る親会社の(安全配慮義務違反などの)社会的責任が問われることを期待しています」 日本の金融を支える大企業・グループに立ち向かう勇気を、裁判にも同行してくれる父の存在が後押ししてくれていると原告は語る。 「私のケースでは、たまたま父がハラスメントに関する知識があり、早期からリハビリプログラムを組んでくれたので、比較的早期に社会復帰できた」 しかし原告は「一人で抱え込み、逃げようのない苦しみにもがき続けている」かつての自分のような存在を救うためにも“戦い続ける”ことを決意している。
榎園哲哉