「キリがいいところまで」問題を解くと逆に成績が下がる…「もっと勉強したい」とスイッチが入るシンプルな方法
勉強に集中できず、ついダラダラ過ごしてしまうときはどうしたらいいか。現役薬剤師でYouTubeの勉強動画が人気なこーずぶろぐさんは「勉強へのやる気が出ないときは、脳を騙すのも一つの手だ」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、こーずぶろぐ『マジカル勉強脳 1日ブッ通しで机に向かえる超絶スタディハック』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。 ■「もっと勉強したい…」と思ってしまう心理現象 人間は、完了できたことよりも、達成できなかったことや途中で終わっていることのほうが、記憶に残っているという性質があります。「読みかけの小説の続きが気になって頭から離れない」といった経験、ありますよね。 これを「ツァイガルニク効果」と言います。広告やテレビ番組でよく使われる「続きはWebで!」「結果はCMの後で!」なんていう煽り文句も、ツァイガルニク効果を利用したものです。 これを活用することで、脳は「勉強したくなる」状態にどんどん近づきます。たとえば、1単元が10ページのテキストがあるとしたら、1時間でまとめて1単元終わらせようという計画を立てる人が多いのではないでしょうか。 ツァイガルニク効果を活用する場合は、完全に時間ベースでコントロールします。1時間その単元を勉強すると決めて、その1時間のうちに8ページしか終わらなかったら、そこで勉強を中断するのです。 おそらくこのときとても収まりの悪い、ソワソワする状況になると思います。そのソワソワが、次に勉強に取り掛かるためのモチベーションになるのです。 このテクニックを活用するには、3つコツがあるので順番に紹介します。 ■「ツァイガルニク効果」を活用するコツ3つ 1つ目は、どこかで勉強を中断したら、なるべく早めに再開することです。 ツァイガルニク効果は、どちらかといえば短期間に効果を発揮するもの。中断から再開までにあまりにも時間が空いてしまうと、「どこまでやったか」が思い出せなくなり、効率が低下してしまいます。 2つ目は、中断した箇所に簡単なメモを入れておくことです。1つ目の内容にも関連しますが、やはり少し時間を空ける分、「前回やっていた内容を思い出す」という工程が発生します。 ここにかかる労力を最小限に抑え、次回スムーズに再開できる準備をしておくと良いでしょう。ただし、それほど丁寧に対応する必要はなく、次のようにざっくり記録しておけば十分です。 ・どこまで進めたか、記号や付箋などでわかりやすく記録する ・中断する前に勉強していた内容を簡潔にまとめておく ・次回やるべきことを、ToDoリストに書いておく そして3つ目、勉強する内容すべてでツァイガルニク効果を活用しようと思わないことです。 ツァイガルニク効果が生じている状況は言い換えれば、「未完了のタスクが山積みになっている状況」。「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と気になることを増やしているのと同じです。 だからあまりやりすぎると、かえって集中力やモチベーションが低下してしまいます。ツァイガルニク効果を使うのはせいぜい、1日に1~2科目程度にとどめておくことをおすすめします。