「阪急うめだ本店」NPOと一般の人が触れ合う大規模イベント ── 盲導犬PR活動なども
盲導犬はどのような一生を送るのか
ところで、盲導犬はどのような一生を送るのか…。 まず盲導犬は選ばれた父犬、母犬から産まれる。子犬は生後2か月でパピーウォーカーと呼ばれるボランティアの家庭へ。1歳になるまで育てられて人間社会での経験を積む。その後、訓練所に戻り、適正評価を受け、目の不自由な人が安全に歩行できるための訓練を6か月。訓練を終えると、新しいパートナーと出会うことになる。1か月間訓練所で共同生活し、さらに指導員同行のうえで現地訓練。そして利用者との生活がスタートする。10歳~12歳で盲導犬の責務を終え、引退。引退後はボランティアの家庭でのんびり余生を過ごすという。 そんな盲導犬たちは人に吠えることもなく、階段を上がるときも一段ずつ上がったりと、細かい動きができるように訓練されているのだが、もし街などで見かけたら、注意事項があるという。 「働いている盲導犬とは、目を合わさないことをお願いしたいです。ラブラドール・レトリバーは人が好きな犬なので、目が合うと、何かを期待して集中できなくなるんです。だから“あたたかい無視”をして下さい」 訓練所でキャリア7年の中村さんは、そう話す。ラブラドール・レトリバーはオス、メスに関係なく、かなり真面目な性格の温和な犬のようで、視覚障がい者にとってはかかせない存在だろう。 「盲導犬希望者(パートナー)は一か月間、訓練所で盲導犬と寝泊まりして頂きます。そのあと、いよいよ送り出すとき、頑張ってこいよって、気持ちになりますね。寂しくはありません。そのときがいちばんうれしいです」と、中村さんは笑顔で語った。 団体の各ブースでは直接話を聞くこともできるのでNPO活動を知りたい人は、足を運んではどうだろう。 (文責/フリーライター・北代靖典)