北米ボクシング界にも新型コロナ余波…村田諒太に倒された男の再起戦は計量後に緊急中止、WBA声明で井上尚弥のラスベガス3団体統一戦はどうなる?!
新型コロナウイルスの感染が世界規模で拡大、WHO(世界保健機関)が「パンデミック」を宣言したことによりメジャーリーグは26日(日本時間27日)に予定されていた開幕を最低2週間延期することを発表、選手に陽性反応者が出たNBAはシーズンの中断を決定した。さらにスポーツイベント中止の流れは北米のボクシング界にまで波及した。12日(日本時間13日)にカナダのモントリオールで行われる予定だったWBAのミドル級ランカー、スティーブン・バトラー(カナダ)とマルコス・レイエス(メキシコ)のミドル級のノンタイトル戦が中止になったのだ。 バトラーは、昨年12月23日にWBA世界ミドル級王者、村田諒太(帝拳)の初防衛戦の相手に指名され5回にTKO負けを喫しているWBOの元ランキング1位。再起戦に、元WBC中南米ミドル級王者を選んだが、計量を無事に終えた後に、モントリオール公衆衛生地域局から勧告が出たため緊急中止が決定されたという。続けて14日、21日にカナダで予定されていたボクシング興行も中止となった。 WBAのヒルベルト・メンドーサ・ジュニア会長は、「世界中のすべてのプロモーターと興行主催者にWHOと各国の衛生機関による通達、勧告に従うことを要請する」という声明を発表した。イベント自粛勧告などを無視して試合を行うことを禁じ、実際に勧告が守られているかどうかをチェック、もし違反した場合処分も視野に入れているという。 4月25日に米国ラスベガスで行われるWBA世界バンタム級スーパー、IBF同級王者、井上尚弥(大橋)対WBO同級王者、ジョンリル・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦は、そのWBAのベルトもかかっているため、トップランク社が、無観客で行うことを検討していることを米スポーツ専門チャンネルのESPNが報じた。 また村田に敗れたバトラーの再起戦は中止になったが、14日にESPNが放映するWBO世界フェザー級タイトルマッチ、王者のシャクール・スティーブンソン(米国)対同級7位のミゲル・マリアガ(コロンビア)は、ニューヨークのマジソンスクエアガーデンで無観客開催される予定で、まだ全米のすべてのボクシング興行が中止、延期に足並みを揃えているわけではない。