【大村ボート(ナイター)GⅠ周年記念】原田幸哉 特別インタビュー「重圧に打ち勝ち、全てを出し尽くす」
「重圧に打ち勝ち、全てを出し尽くす」
ボートレース大村(長崎県大村市)のGⅠ開設72周年記念「海の王者決定戦」が7日、開幕する。昨年のグランプリ覇者・石野貴之を筆頭に、濱野谷憲吾、山口剛、馬場貴也、平本真之、深谷知博のグランプリ戦士、3月に戸田でSGクラシックを制したばかりの毒島誠や、SG11Vの実績を誇る瓜生正義、連覇を狙う71周年覇者の枝尾賢と豪華メンバーが顔をそろえた。若手勢も昨年のヤングダービー覇者の上條暢嵩をはじめ、昨秋にSG初出場初優出の吉田裕平、トップルーキーの末永和也と粒ぞろい。そんな強力遠征陣を迎え撃つ地元勢の屋台骨で、当大会は2度の優勝を誇る原田幸哉(48)に今大会に懸ける思いを語ってもらった。
**選手生活29年。最悪の滑り出し ――SGが開幕し、年末への賞金レースも本格化しました。今年のここまではいかがですか。 「過去の中でも一番気持ちを込めて走ろうと思っているんですけど、過去の中で一番ありえないレースをしていることが多いですね。気持ちが入りすぎているのか、原因は分からないですけど…」 ――2月の大村では初日のメインカード、3月の宮島GⅡでは準優で、ともに1号艇で転覆事故。 「去年はおととしよりも後退した分、今年は気持ちを入れ直して頑張ろうとしていた直後に、あり得ない事故が立て続けに起きた。自分の中で見えない焦りがあるのかなという気がしていますね。29年間の選手生活の中でも今年が一番良くないのかなと思います」 ――それはプロペラなどの調整面も影響しているのでしょうか。 「調整面の不調ということではないと思います。そこは去年から自分が納得できるようにはなっている。ただ、まだ迷いもあるし自分の中でもブレがある。それに加えて、さえのなさなど全部が重なって、レースがちぐはぐになって…。とにかく全てがかみ合っていないのが正直なところです」
長崎移籍で芽生えた、愛知時代になかった気持ち
――大村の特別戦を走るのはこれが今年初めて。 「大村ということで気持ちも入るし、SGオーシャンカップ(7月に大村で開催。GⅠ・GⅡの優出ポイント上位者に出場権)に出場するには特別戦で優勝戦に乗る必要があるのも分かっている。そういう意味でもこの大村周年で優勝戦に乗ることが、まずは今年一番の目標だと思っています。最低でも優勝戦に乗れるように、冷静に考えて、初日からやることはやっていかないといけないし、やるつもりでいる。オーシャンカップに出場しないことには、自分の中で後悔しか残らないと思う。いつもの気持ちにプラスして、結果も示さなければいけないと思っています」 ――そんな気持ちの入る大村水面。長崎支部に移籍して7年になりました。意識の変化はどうでしょうか。 「移籍してから後輩には一人でも多くSGで活躍できるようになってもらいたいと思うようになったし、もっと上(の世界)を夢見られるような意識をつくりたいなと思っている。3月の宮島のGⅡ戦では下條雄太郎選手が優勝したのを間近で見て、うれしさがこみ上げてきましたしね」 ――後輩を育てたいということでしょうか。 「(弟子に接するように)育てるということではないんですけどね。長崎に移ってからは特定の誰がということではなく、一人でも多くSGで活躍してほしいなと思うようになりました。みんながボートレースに対して純粋というのもあるのかな。それに自分が移籍したことで迷惑をかけている部分もあると思っている。そのことに対しては自分がSGで頑張って活躍するところを見せることによって返していかないといけないなと。普段の自分を見せながら、こんな自分でもSGで活躍できるんだよ、ということを見せることが大事だと思っています。愛知にいるときには全然なかった気持ちですね」