虎のソナタ 日本一「アレンパ」への道のり再スタート 先発投手陣充実の虎…CSきっと楽しめる!
(セ・リーグ、阪神7-6DeNA、23回戦、阪神12勝10敗1分、29日、甲子園)19年前に岡田監督が宙を舞ったのが「9・29」だった。宿敵・巨人を甲子園で倒して、2年ぶりのリーグ制覇を決めた、おめでたい日。指揮官として初めて体験した優勝。歓喜に包まれ、虎党も酔いしれた。 【写真】阪神・岡田監督「佐藤(輝)がええ言葉は言いましたね、アレンパって、 本当、びっくりしたですね」 ことしも、いつの頃からか「9・29」に阪神の大逆転アレンパが達成されるぞ!と噂が広まり、大注目のXデーだったが、まさかのV逸の翌日になるとは。胴上げを期待したスタンドのファンの中に、どこか寂しげな空気を感じていた。 でも、暗いムードを吹き飛ばす「2位決定」。甲子園でクライマックスシリーズ(CS)が戦える。下克上ドラマの始まりだ。 あれはことし1月31日。虎ソナは、なぜかソフトバンク取材のため、伊丹空港から空路、宮崎へ。偶然、出会ったのが巨人の巡回投手コーチになったばかりの久保康生さんだった。巨人の宮崎キャンプに向かうという。現役時代から、担当記者として接した間柄。話は弾んだ。 「岡田さんはどうや?」「担当記者も大変やろ?」 19年前は岡田監督を支えた久保コーチと〝岡田さんの面白さ〟に花を咲かせ、巨人の話題に。 「ことしは菅野が完全に復活するよ。技術的にも、気持ちの面でもすごい。阪神、苦労すると思う。戸郷もいいよ。申し訳ないけれど、巨人優勝、阪神2位かな」 自信満々の順位予想を延々聞かされた。 何を言ってるんや! ふん、どう考えたって、連覇も、2年連続日本一も阪神やで! と、内心で思いつつ、その足でソフトバンクの宿舎でキャンプイン前日取材。すると、小久保新監督が久保コーチ以上に自信満々に演説だ。 「目標は日本一よりももっと高く。何年後かに、大谷率いるドジャースとの世界一決定戦に勝てるようなチームを作ります」 そこまで言うか?! 豪語と表現するにもほどがある。朝から晩まで、ライバルたちの揺るぎない自信の言葉に、あきれたものだった。 が、8カ月が経過して、終わってみれば、この2チームが優勝してしまった。久保コーチの発言は、菅野の復権を含めて、すべて的中していた。お見事だが、実に悔しい。