中国人観光客向けのビザ、緩和措置実施を表明 数次ビザ10年に延長
岩屋毅外相は25日、訪問先の北京で中国人観光客向けの査証(ビザ)発給について緩和措置を実施すると表明した。富裕層を念頭に最長5年の数次ビザを10年に延長するほか、団体観光客の滞在日数も最長15日から同30日に伸ばす。 岩屋氏は「日本政府として人的往来の活性化を制度面で後押しする」と強調した。訪日客の増加による経済効果が見込まれるほか、両国民の相互往来の活性化を通じて日本政府が「日中関係の土台」と位置づける「国民間の交流と相互理解」を促す狙いがある。 日本外務省によると、今回の措置は個人、団体向けの計5項目で、準備ができた項目から順次実施する。これまでは観光で期間3年の数次ビザを取得するためには過去3年で2回の訪日実績が必要だったが、これを5年に2回へと変更。ビザ取得から3カ月以内に訪日しなければならないとする条件も撤廃する。団体観光客の滞在日数の延長は「余裕のある旅程で都市部のみならず地方も訪れやすくなる」(外務省)ことが期待されている。 中国側はコロナ対策として一時停止した日本人の短期滞在ビザ免除を11月30日に再開し、日本側にも「対等の措置」を求めていた。日本外務省は「あくまで日本として主体的に下した判断」と強調する一方、同省幹部は「中国側が善意を示せば日本としてもある程度呼応できるという政治的メッセージだ」と語っている。【岡崎英遠(北京)、金寿英】