日ハムが令和時代に挑戦しているメジャー流守備シフトが裏目に出て是非論が再燃
パ・リーグの野球に詳しい評論家の池田親興さんは「目的は何か、でしょう。森の長打を封じるのであれば、逆をつかれる単打なら成功。逆に本来なら三塁ゴロがヒットになることで自軍の投手に与える影響もあるでしょう。この戦略は、ピッチャーの配球と連動しなければ意味がないので、そこも含めたチーム戦略が、どれくらい徹底されているのかという問題もある。心理的なプレッシャーを打者にかけることで長打のある左打者、或いは、相性の悪い左打者、調子のいい左打者を崩すことが目的ならば、3連戦の内容で判断しなければならない。いずれにしろ、これはトータルのデータとして、いい結果をもたらそうという戦略。シーズンを通じて我慢強くやってみて、そのデータを検証してからでないと成否は判断できないと思う。いわば日ハムは、オープナーも含め1年をかけをて大きな実験をしているようなもの。勝負のかかる9月にも、こういう戦術を取れるのかということにも注目したい」という意見。 おそらく池田さんの指摘が正論だろう。 打球方向のデータは、投手の左右、或いは球種によっても違ってくるため、打者だけを決めて、採用している守備シフトにも問題は残る。だが、シーズンを通じて守備シフトを採用した場合にヒット、長打をどれだけ封じることができて、トータルで、どれだけ打率を抑えることができたのかという“結果”はおのずと出てくるだろう。 栗山監督が令和の時代に仕掛けた壮大なチャレンジ。一方でマリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターに就任したイチローは、3月の引退会見で「日本の野球がアメリカの野球に追従する必要なんてまったくない」とも警鐘を鳴らしていた。守備シフトのようなデータ野球への傾倒も、その一つだったのかもしれないが、他球団の対策も含めて、今後もその是非が論じられるチャレンジではある。