ロッテ・岩下大輝、難病を乗り越え1軍復帰「いろんな方に関わっていただいていた」
(パ・リーグ、ロッテ0-6ソフトバンク、6回戦、ソフトバンク5勝1敗、25日、ゾゾマリン)頼もしく帰ってきた。国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、昨年10月に手術を受けたロッテ・岩下大輝投手(27)が1軍復帰を果たした。七回から3番手で1回無安打無失点に抑えた。 「いろんな方に関わっていただいていた。『復帰できました。ありがとうございます』と伝えたい」 投げ終えると、ホッとした表情を浮かべた。最速は153キロを計測。先頭の今宮を左飛、柳田には四球としたが山川を遊ゴロ併殺に抑えた。昨年9月26日の日本ハム戦以来の1軍マウンドに「(肘や腰など)手術は何回もやっているが、どの手術後の初戦よりも緊張した。頑張って腕を振ったら結果が出た」と喜んだ。 手術前は左半身がしびれて、真っすぐ立てない時もあった。チームの先輩で、同じ手術を受けた大隣2軍投手コーチと南プロスカウト兼育成担当らに術後の経過などを相談しながらリハビリに励んだ。「完璧にもとに戻るというのはなかなかないと思う。何もしなくても体つきも変わりますし、そこは自分に合ったフォームで投げるだけ」と岩下。難病を乗り越えて、また強くなった。(森祥太郎) ■胸椎黄色靱帯骨化症(きょうついおうしょくじんたいこっかしょう) 背骨付近の靱帯が硬くなり神経を圧迫する国指定の難病で、重症時は下半身のまひなどの症状が出る。越智大祐(巨人)、大隣憲司(ソフトバンク)両投手らが現役時代に手術を受け、完全復活を果たせなかった。その後は医療技術の進歩もあり、昨季は三嶋一輝(DeNA)、福敬登(中日)両投手が1軍で復帰登板した。