次世代型「CX-5」がウワサされる中「熟成した現行型」に乗って驚いた! マツダで「最も売れたロングセラー」は今も一級品の出来栄えです
あまりの人気にマツダも商品戦略を大きく転換
こうした美点を備える現行「CX-5」ですが、最新モデルはまさに“熟成”の域にあります。
「CX-5」は2017年2月のデビュー以来、改良を繰り返してきたことでも知られています。 発売から半年後に先進安全装備が充実したのを皮切りに、わずか1年後にはエンジンをも大幅刷新。これまですでに7回もの改良が施され、デビューから時間が経ったからといって開発陣は手を緩めることなく、熟成を繰り返しているのです。 その結果、デビュー当時のモデルと比べてエンジンは大幅進化し、サスペンションは走りと乗り心地のバランスがよくなり、ディスプレイオーディオの画面サイズは大きくなり、ラゲッジスペースはフロアが上下可動式になるなど使い勝手も進化。4WDモデルは悪路走破性も高まっています。 ちなみに、「CX-5」のオーナー予備軍の中で、もしも乗り心地を重視するなら、おすすめはサスペンションの設定がコンフォートにグレード「フィールドジャーニー」。「CX-5」は決して乗り心地が悪いモデルではありませんが、「フィールドジャーニー」は他のグレードよりもひときわなめらか、かつコンフォートな乗り味だからです。 そんな現行型「CX-5」ですが、マツダは上位モデルの「CX-60」を発売した当初、「CX-5」のフェードアウトを計画していたようです。そのためマツダは、「CX-60」のベーシックグレードの価格を「CX-5」のベーシックグレード級に抑えるなど、しっかりと地ならしをおこなっていました。 一方、「CX-5」はマツダの最大のマーケットである北米でも日本市場以上のセールスを記録している大ヒットモデルですが、かの地でも「CX-50」を後継モデルとし、「CX-5」は消えていく計画だったようです。 しかし、ふたを開けてみれば、「CX-60」や「CX-50」の発売後も「CX-5」の販売は衰えることなく、それどころか、ますます増える結果となってしまいました。 そんな状況を受けて、マツダは先日の決算発表会において、ついに次期型「CX-5」の存在を明言しました。つまり商品戦略の方針転換を図るわけです。 マツダにとって「CX-5」は、他のモデルでは代わりにならない、なくしてはならない重要なモデル、という判断となったのです。 また先の決算発表会では、次期型モデルに“マツダ製ハイブリッド”を搭載することがアナウンスされました。どのようなシステムなのか、その概要については明らかになっていませんが、興味深いところです。
工藤貴宏