「かっこよさ見せたい」 黒田人形座 高校生座員も稽古に熱 奉納上演に向け【長野県飯田市】
長野県飯田市上郷黒田の下黒田諏訪神社で6、7の両日に開かれる黒田人形浄瑠璃の奉納上演に向け、黒田人形座が稽古に励んでいる。22人の座員には高校生も所属しており、飯田女子高校3年の座員(17)は昨年に入座し、初めての奉納上演に挑む。「見に来てくれた人に黒田人形のかっこよさを見せたい」と意気込んでいる。 高陵中学校で黒田人形部に所属していた女子高生座員は、黒田人形を続けたい―と同級生部員だった友人とともに入座。中学時代は三味線の担当だったが、今回は人形遣いを担う。 奉納上演に向けた稽古は昨秋に始まり、毎週土曜の夜に黒田人形浄瑠璃伝承館に集まって技を磨いてきた。 本番まで一週間となった3月30日はリハーサルを行い、年長者の指導で細かな動きなどを確認。黒田人形では一体の人形を3人で操るため、女子高生座員は他の人形遣いと息を合わせて真剣な表情で人形を動かしていた。 1演目の上演時間は約40分で「最初の頃は動きを覚えるだけで大変だった」と女子高生座員。人形が生きているような自然な動きを意識して練習を重ねてきた。「本番では練習の成果を出し切りたい」と意気込みを語った。 清水謙一座長(74)は「日を追うごとに上達している」と成長をたたえ「若い人が頑張っている姿は他の座員の刺激にもなる」と話していた。 黒田人形は江戸時代から300年以上の歴史があると伝わり、国選択無形民俗文化財に指定されている。高陵中黒田人形部は担い手育成などを目的に1973(昭和48)年に設立。これまで多くの座員を輩出しており、若手からベテランまで幅広い年齢層の座員確保に貢献している。 奉納上演は同神社境内の「下黒田の舞台」で行われ、今年は黒田人形座が3演目、高陵中黒田人形部が1演目を上演する。