【日経新春杯】バトルボーン8カ月半ぶりでも臨戦態勢 左回り3勝2着2回のサウスポー
今週の中京競馬のメインは伝統のハンデ戦、日経新春杯。昨年の勝ち馬ブローザホーンは、その後、宝塚記念を制したように、春の古馬中長距離GⅠにつながる一戦だ。キャリア8戦の6歳馬、バトルボーンが重賞初制覇を狙う。57キロのハンデも手頃で得意の左回りで、GⅡを制して春のGⅠ戦線につなげる。 ◇ 新春恒例の中距離のハンデ戦。昨年京都に戻ったものの今年はまた中京で迎える。その左回りの芝2200メートルという舞台が一つのポイントになる。 クローズアップしたいのが、バトルボーンだ。中京は初めてになるが、同じ左回りの東京で【3・2・0・0】と連対を外していないサウスポーで、先行して大崩れしない安定感がある。重賞は一昨年の七夕賞に続いて2度目になるが、昇級初戦で7カ月半ぶりだったその一戦で差のない4着と健闘。今回も左前球節部剝離骨折の休養明け。本来なら割り引いてみられる8カ月半ぶりとなるが、仕上がり状態は良く、臨戦態勢はきっちり整っている。 林調教師は胸を張って言う。「脚元の不安が去ってから牧場(ノーザンファーム天栄)でしっかり時間をかけて乗り込んできた。なので帰厩してからの調整は楽でした。日を追って良化しており、1週前の段階で若干重いかなっていう程度。それ以外はいたって順調です」。体調面の不安がないなら期待度は増す。 前走のメトロポリタンSで初めて2400メートルを経験し、完勝したことも大きな収穫だった。「距離が延びてコントロールしやすいことがはっきりしたし、俊敏さが物足りないので2000メートル以上のレースは間違いなくいい」とトレーナーは確信したようだ。つまり、ここは復帰戦として格好の舞台というわけだ。 「スピートに乗るまで少し苦労するタイプ。スタートして最初のコーナーまで距離があるのはプラス」と林師。4コーナーあたりからスタートするだけに、コース形態も味方しそうだ。「心肺機能が実にいい馬」とトレーナーが話すだけに、スタミナ豊富な母系を思えば、結果次第では春の盾挑戦も見えてくる。大事に間隔を置いてキャリアを積み重ねてきた素質馬。久々でも目を離せない存在だ。(水戸正晴)