本当に「保険は損」なのか? 保険で誤解されがちな7つの事柄を検証する
保険の加入に対しては、年代ごとに温度差がある。そのためネットでは、賛成派・否定派、それぞれが熱っぽい意見を戦わせているのだ。 しかし、いずれも極端に誇張されすぎている嫌いがある。その内容を分類すると、おおよそ7つの誤解が見えてくる。 「保険は損」「保険はお守り」など、典型的な保険に関する7つの誤解について、検証していく。 ネットでは最近、保険不要論を唱えるインフルエンサーが多い。 しかし、生命保険文化センターの2022年度「生活保障に関する調査」によれば、生命保険に加入している人は全体で、男性は77.6%、女性は81.5%となっている。この数字だけ見ると、保険を重視する人はいまだ多いといえるだろう。 その一方、同調査で20代だけに絞ってみると、男性は46.4%、女性は57.1%となる。他の年代と比較して、その数字は著しく低い。つまり、若者を中心に保険が敬遠されているのだ。 保険の加入に対しては、年代ごとに温度差がある。そのためネットでは、賛成派・否定派、それぞれが熱っぽい意見を戦わせているのだ。しかし、いずれも極端に誇張されすぎている嫌いがある。 本記事では、そうした保険に関する7つの誤解について検証していこう。まず、その前に、保険とは何かを整理しておく。 保険とは何か? 保険とは、万が一の場合に、どれだけ資金を要するか検討し、必要保障額を確保するために加入するものだ。 だからこそ、それを公的保障や貯蓄で賄うことができれば、保険への加入は不要となる。しかし、それらで賄うことができないほど、甚大な経済的損失が出る可能性を加味すれば、保険への加入は必要となるのだ。 また、老後生活資金の不足など、将来のリスクが比較的発生する可能性が高いものであれば、保険に頼らず対策を検討することが必要となる。 この観点で見ていくと、以下の7つの主張は誤解といえるだろう。
誤解1:保険は損
保険に加入しても利用しないことがある。そのため、加入そのものを経済的に損であると考え、否定する人々がいる。 しかし、あくまで保険は万が一のリスクに備えるためのものだ。損得で考えるものではない。それは、大地震が起きない可能性があるから、食料などの備蓄は不要であると言っていることと同じなのだ。 リスクに備えることは、それを結果的に使用しない場合も想定している。家計への配慮も大事だが、損失が甚大となる万が一の事態のために、保険に加入しておくことは必要だ。