【海外でブーム】「納豆」の輸出が6年で倍増…「スープに入れて」の中国、米国では「そのまま」が主流
「中国ではオン・ザ・ライスでなくイントゥー・スープか、たれをシャバシャバにつけて、あるいはそのまま食べているようです。味付けは薄めで、つゆは多め」 東京税関の「納豆の輸出」のサイトによると、東南アジアではスープなど汁ものの具材として使われることが多く、米国では、たれや辛子も使わず、そのまま食べるほか、葉物野菜と一緒に食べることが多いと紹介している。一方、海外では健康志向から食べる人が増えているものの、ねばりと匂いに抵抗がある人が圧倒的に多いともいう。 最近は日本でも納豆をご飯と一緒に食べるだけでなく、サラダなどに混ぜるなど、食べ方は多様化している。ミツカンの納豆レシピのサイトを見ると、納豆とキャベツのお好み焼き、つまみ納豆冷やっこ、しらす納豆あえなど、納豆好きにはどれも試したい献立が並んでいる。 全国納豆協同組合連合会サイトによると、納豆は煮た大豆の表面に納豆菌が増殖してできる。発酵は20~22時間程度で終わり、製造開始から出荷まで最短で3日間程度。健康効果は、免疫力増強作用、整腸・ダイエット・疲労回復、抗菌・殺菌、骨元気などがあるという。 ◆「冷凍すると180日くらい食べられます」 連合会の担当者は納豆について「冷凍すると180日くらい食べられます」と話す。輸出は基本的に冷凍した納豆になる。解凍は「食べる前に冷蔵庫に入れて、約1日経てば、おいしく食べられます」という。 しかし、海外へ輸出された冷凍納豆については「みなさんが解凍などの扱いを知らないので、決しておいしいと思って食べられていないのではないか」とも連合会担当者は話す。日本人からみると残念な話だ。 それなら、海外で現地生産すればいいというものでもないらしい。海外は「マーケット規模が小さく、輸出のみとなっています」(ミツカングループ広報担当者)。 海外販売には課題もある。ミツカングループ広報担当者は「各国法規制で、使ってよい原材料(たれなど)が定義され、国・地域によっては輸出できない納豆製品があります」という。 さらに福島原発の処理水問題に中国が反発しており、現地で日本の食品への風当たりが強くなっている。全国納豆協同組合連合会の担当者は、昨年の中国向け納豆輸出について「前半は米国向けをしのぐ勢いでしたが、9月以降は失速しました」と話す。納豆輸出をけん引してきた中国向けだが、当面は低迷する可能性がある。 とはいえ、海外でも解凍などの食べ方を上手くすれば、おいしく食べてもらえる。まだまだ、納豆輸出には伸びしろがありそうだ。連合会の担当者は「大谷翔平選手が手巻き納豆寿司が好きとか、言ってくれるといいのですが」と話し、今後の納豆の知名度向上に期待している。 取材・文:浅井秀樹
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