<春はばたく>第93回センバツ注目選手紹介/2 193センチの夢、無限大 達孝太投手(天理・2年)
身長193センチから投じる、最速146キロの威力のある直球と落差のあるフォークが魅力だ。2020年秋は7試合、計52回を投げて投球回数を上回る68三振を奪った。奪三振を積み重ねる秘訣(ひけつ)は自ら天性と自負する「指先の感覚の良さ」。カウントを稼ぐスライダーを制球良く操り、的を絞らせない投球術が武器を際立たせる。 中学時代は無名の2番手投手で、入学時も最速120キロ台と平凡だった。中村監督も「体は大きいし、打撃が良かったので打者で使えるかな」と、投手としての期待はさほど大きくなかった。本人も春夏の甲子園で優勝3回の名門で「エースになれるとは思っていなかった」と振り返る。 だが成長痛が落ち着き、練習に励み始めると思わぬ成長曲線を描いた。飛躍のきっかけは19年秋の近畿大会決勝、大阪桐蔭戦。公式戦初先発ながら八回途中4失点の力投で優勝の立役者となった。一方で、連投となった20年秋の近畿大会準々決勝では同校相手に11失点し七回コールド負け。「スタミナ不足を痛感した」と冬場に5キロ増の体重90キロを目指し、筋力強化に努める。 聖地での目標は「球速150キロ」、将来の夢は「サイ・ヤング賞(米大リーグの最優秀投手)」と言い切る。大きな体に無限の可能性が宿る。【長宗拓弥】=つづく