販売不振に直面するテスラ、米国での市場シェアは「50%以下」 割引販売開始
米国における2024年の販売台数予想は約63万3000台。前年は約67万4000台だった
一方、韓国のヒョンデや米国のゼネラル・モーターズ(GM)などは、ここ2年ほどの間に次々と新たなEVを送り出し、どれも好調な売上を記録している。さらに、米国最大のEV市場であるカリフォルニア州では、マスクの政治的立場を嫌う顧客が他社製品を選ぶ傾向がある。 ■EV市場の競争の激化 マスクは、10月の決算発表において「2025年上半期に手頃な価格のモデルを提供する」と述べ、来年には20%から30%の販売台数の成長が見込めるとアナリストや投資家に語っていた。しかし、彼はその一方で、期待されていた2万5000ドル(約390万円)のModel 2の発売を否定した。 テスラは、Model 3やModel Yの安価なバージョンを提供するのかもしれないが、Bairdのアナリストのカロは、「生産体制を整えるのに時間がかかるため、思ったほどの成果をあげられないかもしれない」と指摘している。 2024年の米国におけるEVの販売ペースはやや鈍化したものの、コックスの推計ではセグメント全体の販売台数は今年、前年比で7%増加して、過去最高の130万台に達すると見られている。しかし、2025年の見通しはやや不透明で、トランプがバイデン政権のEV税控除を撤廃する可能性がある。ただし、この変更は2022年に可決されたインフレ抑制法に基づくものであり、議会の承認が必要なため、最短でも2025年半ば、あるいは2026年まで撤廃されない可能性があると、コックスのチーフエコノミストのジョナサン・スモークは17日のブリーフィングで述べた。 米国における今年のテスラの販売台数予想は約63万3000台で、2023年の約67万4000台から減少する見通しだ。同社の国内EV市場シェアの低下はさらに顕著で、2020年の80%から今年は50%未満に縮小しており、ヒョンデやGM、フォード、リビアンなどの競合にシェアを奪われている。
Alan Ohnsman