【異次元円安、大変であります!】国産と輸入で牛肉の価格が逆転!? 1ドル170円で起こる飲食パニック!!
牛丼はどうでしょう? 「牛丼も牛肉の価格が高騰すれば、値上げをせざるをえないでしょう。今、牛丼チェーン店の並盛の価格は500円以下ですが、これはかなり企業努力した値段です。本来の適正価格は600~650円くらいだと思います。 すき家が4月3日から並盛を30円、大盛、特盛、メガを50円値上げしましたが、円安が進めばさらに値上げをする可能性もあります。今の輸入牛肉の高騰を考えれば、個人的には700円超えの可能性も否定できません。 または、値段は据え置きで、ご飯が増えて牛肉が減る。あと、鶏肉はまだそこまで高騰していないので、唐揚げ丼などをメインメニューにするという方向転換も考えられます」 1ドル170円になると、700円の牛丼と500円の唐揚げ丼で選択を迫られるということか。ハンバーガーはどうなるのだろう。 「ハンバーガーチェーンは大変ですよね。ほぼ輸入牛肉を使っていますから。 今、マクドナルドのハンバーガーは170円ですが、この値段ではさすがに出せなくなるのではないでしょうか。ハンバーガーは22年3月には130円でしたが、22年9月には150円。そして23年1月に170円になりました。 また、今年1月にもハンバーガーの価格は据え置きになりましたが、ダブルチーズバーガーやビッグマックなどを原材料価格の高騰などを理由に値上げしています。 今回の円安でも相当な影響を受けているでしょうから、1ドル170円になったらハンバーガーは250円、現在、480円のビッグマックは700円くらいにしないとやっていけないのではないでしょうか。するとセットは1000円超えです。 でも、海外から見たら日本のマクドナルドのハンバーガーは安すぎなので、世界標準になるということだと思います」 でも、こうなると飲食店も消費者も大変ですね。 「消費者も給料が上がっていないので、値上げをするとお店に来てくれない。量を少なくするとお客さんから文句を言われる。円安で潰れる飲食店は増えると思います。 飲食店にとっては、どうすればいいかわからないパニック状態といえるのではないでしょうか。ただ、輸入牛と国産牛の価格が逆転したならば、それを逆にビジネスチャンスにすればいいんです。 牛丼チェーン店であれば、『国産牛100%使用の牛丼』を売り出せば、輸入牛と同じ値段だったり、もう少し高くても売れるかもしれません。『国産牛100%使用のハンバーガー』なら食べてみたいと思いますよね。 今後、国産の食材を使う店が増えれば、国内の生産者さんも喜ぶし、現在、38%ほどの日本の食料自給率が上がるチャンスかもしれません」 異次元の円安でお店も消費者もパニックになるかもしれないが、それをなんとか乗り越えて、新しい日本を目指したい。 取材・文・撮影/村上隆保 写真/共同通信社