読売新聞

　衆院選は27日投開票され、鹿児島県内4選挙区の当選者が決まった。2選挙区で公認候補を擁立した立憲民主党が2議席を奪い、1996年に現在の選挙制度になって以来、小選挙区で初めて複数議席を獲得した。立民は3区で前議員の野間健さん（66）が、農相で自民党前議員の小里泰弘さん（66）を破って4選を決めた。1区でも前議員の川内博史さん（62）が勝利し、県都の議席を奪取した。2区は無所属前議員の三反園訓さん（66）が再選した。自民は4区で、前議員の森山裕さん（79）が逆風をはねのけて8選を果たし、全敗を防いだ。 【写真】万歳をして喜ぶ野間さん

鹿児島3区

　鹿児島3区は、立憲民主党前議員の野間健さんが底力を見せ、自民党前議員の小里泰弘さんとの戦いを制し、4回目の当選を決めた。2人の対決は3回連続で、前回選に続く勝利となった。

　野間さんは、鹿児島県薩摩川内市の事務所で集まった支持者らを前に、「現職大臣との戦いで本当に厳しかった。このままの政治ではいけないという皆さんの心が結集した勝利だ」と述べ、万歳をして喜びを分かち合った。

　選挙戦では、子ども医療費の無償化拡充に向けたこれまでの取り組みを強調するとともに、自民党の「政治とカネ」の問題にも言及した。

　頻繁に地元に戻り、選挙区内の様々な地域に足を運んで住民との対話を積み重ねる草の根の活動を続けてきた。政治の師と仰ぐ松下忠洋元金融相（故人）時代からの保守系の支持もまとめた。

　小里さんは閣僚として負けられない戦いだったが、公示後も鳥インフルエンザの発生対応などの公務で地元を離れることもあった。公明党や県農民政治連盟からの推薦を受け、組織戦を繰り広げたが、自民党への逆風も強まる中で、厳しい選挙戦を強いられた。