プロ選手が“引退”を決めるとき―元Jリーガー西村さんが歩み始めた新たな春
「スタジアムを満員に」「何事も情熱を持って」現役時代の闘志そのままに
当初は「社員」という条件しか聞かされておらず、どんな仕事をするのか分からなかった。後に「広報」と聞かされたという。かつての選手仲間からも「広報になったの」と驚かれるも、本人は「自分の視野の狭さが分かって、いい勉強。現役を終えてもサッカーに携われるのは幸せに思う」と、プレスリリースの制作やマスコミの取材交渉や調整に走り回る。 今の夢は「スタジアムを満員にすること」だ。現役時代、満員のサポーターから声援を受けるピッチに立った時の高揚感が、忘れられないという。「うれしい半分、興奮半分のあの雰囲気を、選手たちに味わって欲しい。そうするためにも広報として、お客さんがスタジアムに来てもらえるようにしたい」と誓う。 「J2という下にいるから、J1という上を見るしかない」と、J1復帰の願いを熱く語る西村さんのモットーは「情熱、向上心を持つこと」だ。「自分で決めた道を信じて、何事にも情熱を持ってできればいい」と、現役時代の闘志はそのままに、セカンドキャリアでも躍動する。 (斉藤理/MOTIVA)