プレーヤーで一流でも上司として三流の人の特徴 マイクロマネジメントは部下を萎えさせる最悪の打ち手
4月に入社したばかりの新卒従業員から、退職代行サービスへの申し込みが殺到したことが話題となりました。新卒1年以内の離職理由として多いのが「人間関係」です。これまで1万人以上の相談に乗ってきたキャリアコンサルタントの藤本梨恵子さんの新刊『職場の人間関係 防災ガイド』の中から、トラブルを起こる前に防ぐ方法について解説します。 ■仕事のやり方に過干渉してくる人 いつも退職理由の上位に上がるのは職場の人間関係です。心理学者のアドラーも「すべての悩みは人間関係の悩みである」というほど、人間関係は一番の悩みの種です。
クセの強い・めんどくさい人たちは、極端な考えや行動をするので、トラブルを引き起こします。だから、否が応でもあなたも巻き込まれることになるでしょう。まさに人間関係の災害。その災害を、うまくかわし、ストレスを溜めず、やり過ごす方法を知っているかどうかで、あなたを取り巻く環境は天国と地獄ほどの差が生まれます。 今回は「マイクロマネジメントしようとしてくる人への防災対策」についてご紹介します。 【不幸な職場をつくる最悪な手法】
上司が部下の行動に干渉し、過度に管理することをマイクロマネジメントと呼びます。 メールのCCに自分の名前を入れるように強要。仕事の手順や進め方などで自分のやり方を押し付ける。電話のかけ方や話し方に細かく口を出し、細かいミスを執拗に追及。下の行動を把握するために、頻繁に進捗状況を報告させる。こんなことされたら、息が詰まりますよね? この上司が厄介なのは、プレーヤーとしては一流の人が多いこと。だから部下にも自分と同じ高いレベルを求めます。部下が作成した資料も「フォーマットが気に入らない」「これは円グラフでなく、棒グラフだろ?」など細かく口を出します。
自分では部下を教育するつもりでも、ミスの指摘ばかりで、ほめないので、部下はモチベーションが下がり、うんざりします。つまりプレーヤーとしては一流でも管理者として三流なんです。 ■過去の自分の姿と重なり不安になる 原因は大きくはふたつ。「不安」と「自己顕示欲」です。ひとつめの「不安」が強い場合は、「部下の失敗が自分の責任になる」と考え、すべてを管理し、安心したいんです。 若手社員の姿が、要領の悪かった過去の自分の姿と重なるとさらにチェックが厳しくなります。これは、心理学では投影と呼ばれます。自分に似ていれば似ているほど口うるさくなっちゃうんです。