英シティ、EU離脱で雇用喪失4万人 「大惨事」と行政トップ
John O'Donnell Elisa Martinuzzi Andy Bruce [ロンドン 16日 ロイター] - 英ロンドンの金融街シティを行政区域とする「シティ・オブ・ロンドン」の市長(ロード・メイヤー)マイケル・マイネリ氏はロイターの取材で、2016年の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)決定が「大惨事だった」と話し、シティの雇用喪失が4万人弱に及んだとの推計を明らかにした。ブレグジットの影響は予想を超えて深刻と警鐘を鳴らした。 マイネリ氏によると、16年にシティでは52万5000人が働いていた。 大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)の計算では、22年までに7000人の働き口が他の欧州諸国に移転された。マイネリ氏の推計はこれをはるかに上回る。 マイネリ氏はロンドンからの雇用流出の影響で、アイルランドの首都ダブリンで最も多くの雇用が創出され、1万人が職を得たと話した。イタリア北部ミラノやフランス首都パリ、オランダ首都アムステルダムなどの都市でも雇用が生まれた。 マイネリ氏はシティに活気を取り戻す一環としてビザ(査証)の手続きに関して改善するべき点があると主張。「ドイツとの2カ国間貿易協定も模索している」と述べた。