京都外大西・杉浦智陽 亡き親友の思い背負って立った夢舞台 聖地で魅せた好守
「選抜高校野球・1回戦、山梨学院7-1京都外大西」(20日、甲子園球場) 1回戦3試合が行われ、京都外大西(京都)は前年の優勝校・山梨学院(山梨)に1-7で敗れた。創志学園(岡山)は21世紀枠の別海(北海道)に7-0で快勝。中央学院(千葉)は春夏通じて甲子園初出場の耐久(和歌山)を7-1で下した。 ◇ ◇ 生きていたなら見に来てくれていたはず-。京都外大西の「1番・右翼」で先発出場した杉浦智陽外野手(2年)は今は亡き親友の思いを背負い、夢舞台に立った。 小学校から友人だった中村建翔さんが中3時に病気で他界。サッカーをやっていたが、もう一人の友人と“いつもの3人組”で同じ時を過ごした。学校終わりには駄菓子屋に直行し、公園でサッカーをして制服を汚した。たわいもない話で日が暮れるまで笑い合った。杉浦の野球の試合もよく見に来ていた中村さん。「プロいけよ」と背中を押され、白球を追う原動力も親友の言葉だった。 リュックには中村さんからもらったキーホルダーをしのばせて試合に臨んだ。4打数無安打に終わるも、強風が吹き荒れる中で好守。大舞台で躍動する姿は天国の中村さんに届いたはずだ。 甲子園を目指すチャンスはあと3回もある。「亡くなってしまって、もっともっと野球とか日常を大切にしてきました。親友との約束なのでプロに行きたい。(甲子園では)やっぱりホームランが打ちたいです」。空から見守る友に、夢をかなえる姿を届けてみせる。