「奨学金240万円」の返還が始まります。何年後に完済できるでしょうか?
家庭の経済的事情などにより、奨学金を利用して、生活費を補う方もいらっしゃるでしょう。奨学金には、返済不要の給付型奨学金と、貸与型奨学金があり、貸与型の場合は、学校卒業後に返還が必要です。 ▼「住民税非課税世帯」や「多子世帯」は無料で大学に行ける? 無償化の要件を確認 奨学金の返還は、一括払いだけではなく、分割払いもできます。ただし、分割払いを選んだ場合は10年や20年などの年単位で返済するため、いつ支払いが終わるのかと、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。 今回は、奨学金の返還期間について、返済方法などとともに解説していきます。
奨学金の返済方法
奨学金の返済方法には、一括払いを除けば「定額返還方式」と「所得連動返還方式」があります。それぞれメリットが異なりますので、比較したうえで、どちらの方式にするか決めることが大切です。 ■定額返還方式 定額返還方式とは、毎月決まった金額を返済していく方法です。返還額が一定ですので、返還の計画を立てやすいというメリットがあります。定額返還方式には、月賦返還と月賦・半年賦併用返還の2種類があります。 月賦返還では、返還総額を返還月数で割り、毎月同じ額が口座から引き落とされます。月賦・半年賦併用返還では、奨学金として借りた金額をまず半分に分割したあとで、半分を月賦として毎月引き落とされて、もう半分は、半年ごとに半年分を引き落とされる点が特徴です。 どちらの方法にするかは返還誓約書作成時点で決定して、一度決めたあとは変更できません。 ■所得連動返還方式 所得連動返還方式は、前の年の所得によって毎月の返還額が変動します。所得が低くなったときでも、無理なく返済を続けられる点がメリットです。所得が高いときは、返還額も増額します。
返済にはどれくらいかかる?
奨学金の返還は、貸与が終了した翌月から7ヶ月目に始まります。 なお今回は、定額返還方式を利用した場合の返還額をご紹介します。日本学生支援機構では、奨学金の返還例が公開されており、第一種奨学金の貸与総額が244万8000円で、自宅外から4年制国公立大学に通っていた場合の返還年数は、15年になります。毎月の返還金額は1万3600円となります。 第二種奨学金は、第一種奨学金とは違って利息が付く点が特徴です。日本学生支援機構の返還例によると、利率3%で貸与月数が48ヶ月、奨学金の貸与総額が240万円の場合、返還年数は15年、返還総額が301万8568円になります。毎月の返還額は1万6769円です。 このほか、金額や大学の種類ごとの返還年数や月額返還額例なども、日本学生支援機構の公式ホームページで確認できます。 奨学金の返済は、お金に余裕があれば、繰り上げて全額返還も可能です。なるべく早く返済したい方は、繰上返還も検討しておきましょう。