向井理にまだまだ翻弄される予感…柳楽優弥”洸人”が気づいた違和感とは? ドラマ『ライオンの隠れ家』第3話考察レビュー
ライオンと美路人(坂東龍汰)の絆
山梨県での一連の事件がきな臭さを増す一方、ライオンは美路人(坂東龍汰)との絆を深めていた。 印象的だったのは、動物園で開催されたアート展で、体調不良の小野寺(森優作)に代わって美路人がライブペイントをしようとしたときのこと。司会のマイクがハウリングしたことでパニックを起こした美路人を、洸人は降壇させようとした。 ところが、ライオンは美路人が愛用するゴーグルを差し出したのだ。それを掴んだ美路人は落ち着きを取り戻し、無事に絵を描き上げることができた。 洸人は、他人の迷惑にならないことや自分の都合を優先させて美路人の可能性を狭めていたのではないかと、寂しそうな表情を浮かべる。ただ、生活をしていく以上、そうなってしまうことも理解できる。それに、美路人は好きなことを見つけ、その才能を伸ばしながら仕事をしてもいる。これは間違いなく、洸人が近くで見守ってきたからこそ。 美路人の変化は、美路人自身に“ライオンを守る”という意識が芽生えたことも大きいだろう。「お兄ちゃんと、ライオンと、僕は、同じプライドの仲間です」――。 自分のリズムを乱されることを嫌っていた美路人が、ライオンとともに同じベッドで眠り、これまで書いたことのなかった人間の画を描いた。ライオンという刺激が、美路人に新しい感性をもたらしている。この作品は、ここからわたしたちにどんな景色を見せてくれるのだろう。 【著者プロフィール:あまのさき】 アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
あまのさき