衆院「東京15区」補欠選挙は大混戦! 自民党不戦敗で乱立する候補者9人を全員取材!!
酒井なつみ氏は、江東区議会議員に2回当選し、昨年の江東区長選は次点という実績の持ち主。演説では「国政には女性が少ないだけでなく、助産師の資格を持つ国会議員はひとりもいません。だからこそ、保険の充実、切れ目のない子育て支援、子供の権利を守って、支えて、育てていくことが私の強みであり、進めていきたい政策です」と訴えた。 政策ビラには、28歳で子宮頸がんに罹患し、闘病生活を送った経験をもとに、区議会議員として若年がん患者の在宅療養支援実現に取り組んだ経歴などが書かれている。 飯山あかり氏は、日本保守党の公認を受けている。日本保守党は、自民党がLGBT理解増進法を成立させたことなどに反発してつくられた政治団体で、初めて国政に挑戦する選挙となる。 ネットや配布しているビラには、外国人労働者の問題や教科書検定制度の見直しなど、右派的な有権者に好意的な政策が並んでいるが、飯山氏は演説で「私たち日本保守党は、名古屋の『減税日本』という政党とお友達関係にあって、そのトップである河村たかし名古屋市長は私たちの共同代表です」と話すなど、街頭での訴えは減税や社会保障負担の引き下げに力点が置かれていた。 多くの人が詰めかけた演説会だったが、百田尚樹代表が江東区に住んでいる人の挙手を求めると、1割も手が挙がらずに落胆する場面もあった。 須藤元気氏は、平日朝の駅前で挨拶をしながらビラを配る、いわゆる〝朝立ち〟を取材した。かつて監督を務めていた学生レスリング日本代表チームのウインドブレーカーを着て、爽やかな笑顔で行き交う通勤客に声をかける。 通勤客が自分以外の支援者のビラを受け取ったことがわかると、全速力でダッシュして握手を求めるなどパワフルな活動を展開していた。 積極財政と消費税の減税、インボイス制度の廃止など日本経済の立て直しを訴えながら、「自転車に乗って江東区中を握手して回っているんです。1万人が目標です!」とポケットに忍ばせた手動のカウンターを見せてくれた。また、父が経営している居酒屋さんでの住民との触れ合いも楽しいと話していた。 さまざまな思想や背景を持つ9人が立候補している衆院東京15区補欠選挙。 選ばれるのは、この中のひとりだ。 取材・文・写真/宮原ジェフリーいちろう 写真提供/畠山理仁(吉川氏)