SKY-HIに選ばれた高校生3人 BE:FIRSTを追いつつ「唯一無二の存在に」…読書感想文も提出
RUI、TAIKI、KANON 初EP『Forked Road』リリース
ラッパー・SKY-HIが代表のBMSGに所属し、TRAINEE(=練習生)として活動するRUI(ルイ=17)、TAIKI(タイキ=17)、KANON(カノン=18)。3人による初のEP『Forked Road』が今月11日に配信リリースされた。RUIとTAIKIは、BMSG主催オーディション『THE FIRST』(2021年、BE:FIRSTデビュー)に、KANONは『MISSION×2』(22年、MAZZELデビュー)に参加し、同社の練習生になった。すでにイベント出演を重ねる中、同作で3人がユニットを組み、ソロ楽曲も収録。アーティストとして成功する夢に向かう各々のビジョンを聞いた。(取材・文=よもつ) 【動画】RUI、TAIKI、KANONのパフォーマンス『Forked Road』 都内にあるBMSGの自社ビル。3人は横並びで座った。慣れていない取材対応。少し緊張の面持ちだったが、それぞれが自分の言葉で『Forked Road』への思いを語った。 RUI「(表題曲『Forked Road』は)ライブで映えそうな曲というのが第一印象。『♪怖くても寂しくても自分に火をつける理由を見つけろ』は、(作詞をした)日高さん(SKY-HI)からのメッセージに思えて、すごく刺さりました」 TAIKI「誰がどのパートを歌っても、自分たちの思いと一致するような歌詞です。元気が出ます」 『Forked Road』の意味は「分かれ道」。10代半ばにして「アーティストになる」と決め、BMSGで歩むことを選んだ3人と重なる。同曲はポケモンアニメ『POKETOON』新シリーズとタイアップ。彼らもアニメを視聴し、ゲームやカードで遊んだ「ポケモン世代」だ。 KANON「感慨深いです。自分が見ていた時の主題歌を鮮明に覚えているので、この曲もそうなってほしいです。そして、子どもたちが大人になって聴いた時にも『良い曲だな』と思ってもらえたらうれしいです」 続く3曲は、「恋愛」をテーマに各自が作詞したソロ楽曲。KANONの『Make you…』は、10代とは思えない色気のあるバラードだ。 KANON「(BMSG所属アーティスト)REIKOが作曲に携わってくれた曲です。R&Bが大好きなので、『ザ・R&B』という感じのこの曲にしました。作詞はメッセージ性を強くするより、言葉の音の運びや気持ち良さを優先するタイプです。フック(サビ)は地声と裏声の使い分けに苦労しましたが、聴いていて一番気持ち良い部分でもあるので、注目してほしいです」 TAIKIの『24/7』は、「24時間、7日間ずっと一緒にいたい」という思いを歌詞とラップで表現している。 TAIKI「KANONが大人びた曲なので、学生の今しか書けない等身大の歌詞を書きました。『♪バックの中確認 教材家に置きっぱなし』という歌詞など、共感できる内容にしました。今までガツガツしたHIP HOPばかりをやってきたけど、『恋愛も書いてみたいな』と。ラップについては、曲を作る中で成長した感じです。ラップは誰かに教わるものではなく、経験を積みながらスタイルを上げていくものだと思うので」 RUIの『星が会うその日まで』は、主人公の心象がつづられた趣のある楽曲だ。 RUI「自分の世界を表現したくて、その中で恋愛の話にフォーカスして書きました。タイトルの『星が会うその日まで』という言葉が以前から自分の中にあり、そこからイメージを広げました。歌詞が抽象的なので、いろんな捉え方をしてほしいです」 互いの曲の感想を聞くと、屈託なく褒め合った。 KANON「TAIKIの曲は、アフロビートみたいな感じのノリに、低い声のラップを乗せるのが意外でした。そして、最後に1回だけフックがあり、アウトロになる構成も面白い。名曲が生まれてしまった!(笑)。RUIの曲は、今までで一番気持ち良さそうに歌っている印象です。RUIが目指していたものができた感じ。リリースされたら2人の曲をプレイリストに入れます」 RUI「KANONは(作詞経験が)4回目なのに、こんな歌詞を作れるなんて天才だなって思いました。TAIKIの曲は歌詞が好き。この歌詞をこの曲調のメロディーに合わせるセンスの良さを感じました」 TAIKI「KANONの曲は、『本当に練習生なの?』というのが最初の感想。恋に落ちる人いると思います。RUIの曲は、映画の主題歌を聴いているようでした。世界観が広いし、俺には絶対に書けない詞です」 現役高校生の3人。レッスンだけでなく、同社の方針「学業をおろそかにしない」の下、忙しい日々を送っている。「『両立して偉いね』と言われるけど、やっぱり大変」(RUI)。受験勉強のため、3人は同社が手配した家庭教師に教わったこともある。BMSGでは、「人前に出るアーティストは高い知力、人間性を求められる」の共通意識があり、全員がコンプライアンスやネットリテラシーの研修を受けている。「ありがたいです」(KANON)。TRAINEEの3人には、読書感想文の課題なども与えられた。ただ、RUI「俺(読書感想文の課題)やったっけ?」と首をかしげ、スタッフから「RUIだけ提出してない」と突っ込まれた。 今夏には渡米してダンス合宿。インターナショナルスクール出身のKANONが通訳係となった。それに甘えず、RUIとTAIKIも同社で受講した英会話レッスンの経験を生かし、現地のダンサーと積極的に交流した。 KANON「実は僕は海外自体が初めてでした。アメリカのダンススクールは日本と全然雰囲気が違う。モチベーションがすごいし、技術が高くなくても前の方で自信満々に踊っている。その人を周りも盛り上げていて、音楽のあるべき形だと思いました」 RUI「最終日にユニバーサル・スタジオに行きましたが、それ以外はずっとレッスンでした」