「核のごみ」巡り新見解「町の大部分が不適地」 寿都町は概要調査に進む? 町長「住民投票で答えを出す」
HTB北海道ニュース
いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定を巡る文献調査が行われていた後志の寿都町で、先週金曜日、専門家を招いたシンポジウムが開かれました。その中で、専門家は「町の大部分が不適地」だという新たな見解を示しました。 先週金曜日、「核のごみ」の処分をテーマに開かれた寿都町主催のシンポジウム。ボーリング調査などを行う「概要調査」に進むべきか、この判断に影響を与える可能性がある、新たな調査結果が示されました。 北海道教育大学・岡村聡名誉教授:「磯谷溶岩は、非常に重要な地層処分の問題から言うと、無視できない内容だ。時代が第四紀にかかる可能性があることが分かりました」。 道教育大の岡村名誉教授らが注目したのは、町の東側にある磯谷溶岩。最近の調査で、火山活動の時期が210万年前から330万年前だと判明したということです。 この研究結果を反映すると、磯谷溶岩は258万年前から現代までに形成された「第四紀火山」に該当。経産省は、最終処分場に適さない要件の1つに、「第四紀火山」から半径15km圏内をあげているため、町内の大半が最終処分場に適さないことになります。 原発から発生する「核のごみ」。これを金属や粘土で覆って、地表から300m以上の地下深くに埋めるのが最終処分です。 NUMO・原子力発電環境整備機構は、最終処分場の選定に向けた「文献調査」の報告書案で、寿都町全域を「概要調査」の候補地としています。この見解が変わる可能性はあるのでしょうか。NUMOは…。 「磯谷溶岩については、火山活動の中心であったかを含めて概要調査以降に詳細を確認する」。 ただ、概要調査に進むには「地元の同意」が必要で、寿都町の片岡町長は住民投票を実施する意向を明らかにしています。 寿都町・片岡春雄町長:「皆さんの理解度を含めて判断したい。寿都町の場合は住民投票で答えを出す。その出た答えに私は従う」。
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