美食家たちを驚かせる、世界中どこにもない“切れ味”から生まれる料理を作る三兄弟に迫る
本田:そこでしかできないこと、そこだとできないことがあるしね。両方だよ。他に何か勉強してる?
遊士丸:藤原さんの繋がりで、切れ味を使って料理をされてる方、愛媛県「しの田」の篠田 悠介さんや、同じく愛媛県「くるますし」の高平 康司さんとはいろいろ情報を交換しています。切れ味は新しい切り口だと思うので情報交換しながら、料理について考えています。 本田:他のレストランとかに食べに行ったりしてる? どういうとこに行ってんの? 遊士丸:料理人さんに僕たちのレストランに来ていただくことが多いので、僕たちも神戸の「料理屋 植むら」さんとかに行かせてもらったりしています。表現にこだわっているレストランにはすごく興味があります。 本田:すごいね。その辺のレストランに、その年齢で行っていること自体、ほぼないと思う。でも行ったらすごい勉強になるよ。今、一番学びたいことって、どういうこと? 気になるレストランとか。
遊士丸:海外のレストランの表現の仕方にも興味があります。
本田:世界のレストランランキングでOAD(Opinionated About Dining)っていうのがあって、このランキングでヨーロッパ、北米、アジアとエリア別なんだけど、日本だけは日本のランキングになっている。ここでは、俺みたいな、世界中食べ歩いている人間が投票しているのね。リアルに食べ歩いている人たちから見ると、やっぱり日本は別だよねっていう。レベルが高すぎるから。こういうところに「NOMI RESTAURANT」も入ったりしたら面白いんじゃないかな。世界中の人が食べに来る。 遊士丸:僕たちは切れ味というものを英語にできたら面白いなと思っていて。良い刃付けには細かい砥石が必要で、そういった砥石は、今のところ日本でしか産出されない。だから、日本には日本刀や和包丁という刃物の文化が生まれ、その上に日本の食文化があると思うんです。お刺身や寿司とかは切れ味を前提としています。焼肉も日本は肉を薄く切ってやわらかくして食べる。これはやっぱ日本の文化だと思うので、切れ味を通してそういう食文化を表現して、知っていただけたらというのがあります。