トラックドライバーはこんなふうに荷主に泣かされた!? ナニワの海コンお姉さんの昔話
指示がアバウトな得意先
4トン車に乗っていた頃、狭い道路からバックで工場に進入することがありました。窓から顔を出して慎重にゆっくりバックしていて「なんか動かへんなぁ……」と思っていたら、電柱とトラックのステップが仲良くしていました。つまり接触っていうことです(汗)。 歳がバレるのであまり書きたくないけれど、当時は田舎のほうに行くと木でできた電柱が多く、土台は土の中に埋まっている状態です。幸い、木製の電柱とステップの部分が接触していただけなので車体は無傷。でも電柱はというと……、土台が少々緩んでおりました。 お客様がそれを見て「大丈夫や!足で踏んどいたらええ!」と、心なしかまっすぐには見えない電柱の足元を踏み固める。さすが神様!どんな窮地でも救って下さるんですね! ところで、どう見ても4トン車には厳しい道路条件なので、「ここは4トン車よく来るんですか?」と尋ねてみたら、「よく来てもらってるで~。皆あそこの電柱にこすりよんねん」。……やっぱり。道幅や近隣の障害物は計算に入っていないようです。 で、無事に積み込みを終え出ようとすると、「ここ真っすぐ行って左に曲がる時、角に石が置いてあるんやけど、ソレ踏んで行きや」と神様の不思議発言。 「後輪で踏むんですか?」 「せや!石に乗り上げて、タイヤ滑らせながら曲がって行き」 ものすごくイヤ~な予感。行ってみれば隅切りもしていない直角型交差点。そこに例の石が置いてありました。なんとも滑りやすそうな石です。泣きたい気分で恐る恐る石に乗り上げるようにタイヤを合わせていくと、ある程度乗り上げたところでタイヤがずれて、あおりと角の家の壁がうまくすり抜けました。(ヒーッ!) お客様の助言により無事に通過できたことに感謝しつつ、「二度と呼ばれることがありませんように」と手を合わせ立ち去りました。
兄弟喧嘩の真っ最中!?それでも荷を降ろさなければならぬ
別のお得意様での出来事。とあるご兄弟で営まれている工場に到着すると、少々機嫌の悪そうな男性が出てきて「この荷物今日の分か?」。「はい」と答えると工場の奥へと行き誰かを探している様子。 何がなんだかわからないまま、シートをたたんだりロープをはずしたりの作業を始めていると、中から大きな声が聞こえてきます。明らかに大モメ。もめてる様子が伝わって私もなんだか緊張。どうやら荷物が届くことがその男性には伝えられてなかったようです。 パレットが来ればいつでも降ろす準備はできているものの……、指示が出るまで取り掛かれません(涙)。どれくらい待っていたでしょうか、私もシビレを切らしたんで、近くにあったリフトでパレットを運び、積み替えることに……。 ホントは5段積にするのか6段積にするのかを聞いてから作業をしたかったのですが、長い放置プレーに頭に来てたもんで、楽に詰める5段積にして、たくさんパレットを使って差し上げました。はい、大声でもめてる時に「どこに置くねん!」と聞こえてきたからでして、さらにもめる原因をプレゼントしておきました。 降ろしている最中も一度も見に来ないで、忘れられていた私のささやかな反撃です(笑)。 降ろし終わって受取書をもらいに行く時、明らかに険悪な空気が漂う男性2人に、「終わりました。パレットに載せて壁際に置いてあります」と少々ひきつった笑顔で声をかけ、「ありがとうございました」と逃げるように立ち去った。だって……、同じような荷姿の4トン車がもう一台外で待っていたから……。正直ハラハラしました。あれからまたもめただろうね(汗)。