全国優良畜産経営管理技術発表会で竹田市の丸福グループ最優秀賞 「地域の幸福目指す」
大分県竹田市荻町西福寺の食肉卸・飲食業「丸福」とグループ会社の「荻町高原綜合農場」が2024年度の全国優良畜産経営管理技術発表会で最優秀賞の農林水産大臣賞に輝いた。県内5例目の受賞に、工藤厚憲社長(66)は「地域の皆さん、従業員、関係者の協力のおかげ」と話した。 発表会は中央畜産会の主催。1986年度から開催している。今回は21事業者が全国の畜産協会から推薦され、書類審査を経て8事業者が昨年11月に東京都であった発表会に進出。それぞれ15分で業績を説明した。 同社は工藤社長が登壇。60年に祖父の一熊(かずくま)さん(故人)の呼びかけで発足した西福寺共同養鶏場を原点とする歩みを紹介し、「モットーは創業時から生産即消費の流通体系で地域を支えること」と強調。生産を養鶏から養豚に広げるとともに、から揚げなどの飲食店事業、加工品開発も手がけてきたことを説明した。 豚肉の高品質化に向けた飼料の工夫や、種豚生産・繁殖・肥育の各農場を分散して設置するなど衛生対策についても触れた。 地域貢献として、丸福グループ従業員の約150人の約半数を竹田市で雇用。発生した堆肥を地元に提供し、循環型農業を支えていると紹介した。 将来を見据えて、労働力不足対策としてICT(情報通信技術)を活用した省力化などに取り組む考えを示した。最後に「半世紀先までも地域を結束させ、地域の幸福を目指したい」と力を込めた。 最優秀賞には他の3事業者とともに選ばれた。25年度の農林水産祭の天皇杯候補になる。工藤社長は昨年12月、県庁の渕野勇農林水産部長を訪問し、「受賞を励みにこれからも地域の発展に寄与できれば」と語った。