斬新!注目の若手建築家・大西麻貴+百田有希の作品紹介。素顔が垣間見えるプライベートなQ&Aも
独創的な設計デザイン案の発表やビッグプロジェクトでの受賞など、話題をさらい続ける大西さんと百田さん。数ある作品のなかから、3件をピックアップしました。最後にさまざまな質問をぶつけたQ&Aも! 仕事以外の内容にもコメントいただきました。 【写真集】建築家・大西麻貴+百田有希の話題を呼んだ作品紹介は?プライベートな質問も投げかけてみました!
【case_1】住宅「House H」/居場所が集まってできた家
都内の住宅密集地に立つ住まい。敷地の3方を細い道路に囲まれた角地という環境から、街から連続するもう1本の道=4本目の道を家のなかまで引き込むというコンセプトが導き出されました。 「新しい道」は建物の外周をらせん状に巻き上がるようになっています。外とも中ともいえない中間的な空間。それは玄関へのアプローチであり、各階の外階段であり、コージーなテラスにもなり…と、場所ごとに異なる特性を兼ねながら、屋上に設けた茶室の露地までつながっていきます。 それらの居場所が集まることで家全体が形づくられています。
【case_2】住宅「二重螺旋の家」/路地から続く廊下が巻きついた家
東京の谷中に立つ小さな住宅。寺社や古い木造住宅、狭い路地など、今も昔ながらの風情が残る街、そんな谷中らしさを紡ぐことを試みたプロジェクトです。 細い路地が2本接続する特徴的な旗竿敷地を生かし、その路地が巻き上がったような建物を考案。中央の四角い棟に、小さな居場所を内包するチューブ状の廊下が巻きつくプランになっています。廊下の上部はテラスや外階段。 実際には縦長の建物ですが、人の体感や記憶では、多様な空間を路地で渡り歩いていくようなイメージでつくられています。
【case_3】児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」/すべての子供たちに開かれた遊び場
2022年4月に開館した山形市の児童遊戯施設。障害の有無などに関係なくすべての子供たちが遊べるインクルーシブな建築が求められました。 構成要素は主に体育館と遊戯場。提案したのは2つのホールが大きなスロープでうねるようにつながるプランです。機能的な側面を、子供の高揚感や全体の美しいデザインへ昇華。有機的な曲線を反映した佇まいは、周辺の豊かな自然の風景にも穏やかに調和します。 2023年に日本建築学会賞を受賞しました。