【タンカー転覆】新たに船内から1人を潜水士が救助 容体は不明 残る1人の捜索続く これまでに8人の死亡を確認 積み荷はアクリル酸980トン 門司海保
FBS福岡放送
山口県下関市の沖合で韓国船籍のケミカルタンカーが20日、転覆した事故で、行方不明となっていた乗組員1人が21日午前、救助されました。詳しい容体は分かっていません。 乗組員11人のうち救助されたのはこれで10人となり、このうち8人の死亡が確認されています。残る1人の捜索が続いています。
この事故は、20日午前7時ごろ、山口県下関市の六連島(むつれじま)北北西沖およそ8キロの場所で、荒天でいかりを下ろして止まっていた韓国船籍のケミカルタンカー「キョヨン サン」(870トン)から「船が傾いている」と、救助を要請する通報があったものです。 巡視船きくち、巡視艇ともなみ、はやなみ、さとざくら、はやぎくの計5隻と、県のヘリや自衛隊機など4機が出動し、転覆した状態の船を確認しました。巡視船いまり、むろみ、巡視艇ときなみ、さらに特殊救難隊を追加で投入して捜索を続けています。
タンカーには韓国人2人、インドネシア人8人、中国人1人の計11人が乗っていました。 20日には救命胴衣を着けて海に浮かんでいた9人をヘリで救助し、病院に搬送しましたが、このうち8人の死亡が確認されました。1人は意識があり命に別条はないということです。 転覆したタンカーの近くには、救命ボートが浮かんでいましたが誰も乗っていなかったということです。
現場では残る2人の夜を徹した捜索が続いていましたが、21日午前8時20分ごろ、海保の潜水士が転覆した船内から、行方不明となっていた乗組員1人を救助しました。詳しい容体は分かっていません。 転覆の原因は分かっておらず、現場付近では、残る1人の捜索が続いています。 積み荷はアクリル酸980トンで、今のところ流出は確認されていないということです。
当時、福岡管区気象台は山口を含む九州北部に暴風と高波に関する情報を出し、20日昼過ぎにかけて暴風や高波に警戒するよう呼びかけていました。 下関市では当時、最大瞬間風速20メートルを超える突風が観測されていました。 ※21日午前11時半現在
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