山崎隆之八段が藤井聡太八冠と初のタイトル戦へ 「泥臭く勝てて良かった」棋聖戦挑戦者決定戦を制す
将棋の藤井聡太棋聖=竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将=への挑戦権を争う第95期棋聖戦挑戦者決定戦が22日、東京・将棋会館で行われ、後手の山崎隆之八段(43)が佐藤天彦九段に182手で勝利し、15年ぶりのタイトル戦出場を決めた。藤井との番勝負は初めてとなる。 山崎は「序盤はお互い見たことのない感じで楽しい感じだった」と振り返り、「勝ち方として最後弱い手順ではあったのですが、かっこ付けずに泥臭く何とか勝ててよかった」と安堵(あんど)の表情を見せた。 タイトル戦登場は2009年の王座戦以来2度目。「自分が今挑戦できるとは全く自分自身も周りも思っていなかった。すごく不思議な感じ」と素直な言葉を並べた。 藤井との対戦成績は1勝1敗。「実力差があるのは分かっているので作戦をしっかり考えて少しでもチャンスがある五番勝負にしたい」と力を込めた。 一方、5年ぶりのタイトル挑戦はならなかった佐藤は「最初の最初から前例のない将棋になり、面白いお互い持ち味が出る将棋にはなったかなと思っていた」と振り返った。 番勝負の舞台には一歩届かなかった。「僕もという言い方は変ですが…このタイミングでこういうチャンスが訪れるとは思っていなくて。自分でも意外な感じがしていた。結果は残念ですが、内容としては今自分が持っているいいところと悪いところ両方出たかなという感じはしています」 それでも、「今のスタイルは今後も続けていかれる?」と聞かれると、「結構気分屋なところもあるので(笑い)今日の今日、今の今はそういうつもり。勝負は大きなものではあるが、自分の中でちょっとしたおもしろみ、楽しみを見いだしながらやりことを大事にして続けていきたい」と柔らかな表情も見せた。 山崎はこれまで一般棋戦でNHK杯2回、JT杯1回など8度の優勝歴がある実力者だが、タイトル獲得経験は無い。40代で初戴冠(たいかん)となるか。 棋聖戦五番勝負の日程は以下の通り。 ・6月6日 第1局 千葉県木更津市 ・17日 第2局 新潟市 ・7月1日 第3局 名古屋市 ・10日 第4局 兵庫県洲本市 ・23日 第5局 静岡県沼津市
報知新聞社