小松工、航空石川4強 北信越高校野球
来春の甲子園につながる北信越高校野球大会(北國新聞社後援)は13日、金沢市民野球場などで準々決勝4試合が行われ、県勢は石川大会2位の小松工と3位の航空石川が勝って4強入りした。 【写真】福井工大福井に2点適時打で逆転サヨナラ勝ちを決めた航空石川の木村(中央) 小松工は12日の1回戦で4安打5打点と爆発した3番東大輝が、この日の新潟明訓戦でも絶好調。四回に先制右適時打、六回に3点適時三塁打を放って勝利を引き寄せた。 航空石川は福井2位の福井工大福井に無得点に抑えられたが、1点ビハインドの九回裏1死二、三塁から代打の木村陽翔が中越えの適時打を放って逆転サヨナラ勝ちした。 19日に県立野球場で行われる準決勝で航空石川は高岡第一(富山3位)、小松工は敦賀気比(福井1位)と対戦する。 ●大当たり「自分でもびっくり」 小松工・東2安打4打点 新潟大会優勝校に七回コールド勝ちした小松工の東大輝は2安打4打点と2日連続の大当たりに、「本当に自分でもびっくり」と驚きを隠さなかった。選手一人一人が自分の役目をしっかり果たせているとし「チームに流れをつくるのが自分の仕事。打って勢いが出たのでうれしい」と振り返った。 9番右翼で出場した一つ下の弟・建輝が六回に先頭打者でヒットを放って出塁し、自身の適時打で生還。「昨日の夜、弟に『必ず出番がある。しっかり準備しとけよ』と伝えた。初スタメンでもすごく集中していた」とたたえた。 北信越大会出場が決まり、15日からの修学旅行をキャンセルして大会に集中する。「相手のレベルは高く、一つ一つのプレーで試合が決まる。厳しい戦いになるけど、泥臭く勝っていく」。北信越王者まであと2勝、持ち前の勝負強さで快進撃を引っ張る。 ●逆転サヨナラ打に涙 航空石川・木村 航空石川の試合を決したのは悔しさをバネに放った一打だった。逆転サヨナラ打の木村は県大会でも出場機会が少なく、唯一スタメンで出た小松大谷との3位決定戦は3打数無安打2三振と振るわず。再びベンチを温めることになったが、打撃の状態の良さを感じていた中村隆監督は「思い切っていけ」と好機に木村を代打に送り出した。 「緊張はなかった。自分が試合を決めてやるという気持ちだった」。外角の直球を振り抜くと、打球はセンターの頭上を越え、今までの悔しさとうれしさから塁上で涙があふれた。「野球で泣いたのは初めて」。試合後に照れ笑いを浮かべて振り返った。 大阪府出身。「最大の夢」という甲子園出場を目指して航空石川に入った。今春のセンバツはスタンドで応援し「来年は自分もあの中に入ってやる」と心に決めた。「次も勝てば甲子園がぐっと近くなる。絶対に勝ちきる」。あと一歩まで近づいた夢舞台に表情を引き締めた。 ▽準々決勝 福井工大福井 000010000―1 000000002x―2 航空石川 (福)三浦、中澤、カーン―植田(航)蜂谷、長井―大橋、藤本▽三塁打 美濃(福) 新潟明訓0000000―0 小松工 0001042x―7 (七回コールド) (新)田村、今井、権平―関川(小)橋本、宮西―北本▽三塁打 東大(小)▽二塁打 田村、小野塚(新) 高岡第一(富山3位)9―6大野(福井3位)、敦賀気比(福井1位)3―0松本第一(長野1位)