食べ物に感謝「すギョく大切」 さかなクンが瀬戸内海の保全を語る
東京海洋大学名誉博士のさかなクンが6日、高松桜井高校(高松市多肥上町)で瀬戸内海の環境や保全について講演した。おなじみの「ギョギョギョ!」のフレーズも交え、海水温上昇に見舞われている瀬戸内海の魚をめぐる状況や、海洋プラスチックごみの問題などについて語った。 【写真】イカナゴの「夏眠」について語るさかなクン=2024年11月6日午後1時49分、高松市多肥上町、木野村隆宏撮影 同校の創立30周年記念に香川大学創造工学部との共催で企画され、生徒や保護者、大学関係者ら約1千人が参加した。 生徒らの「さかなク~ン!」の呼び声で登場。さかなクンは、瀬戸内海で大きな群れをなすイカナゴは、北海道では約30センチもの大きさになることを紹介。暑さに弱いイカナゴが瀬戸内海では砂の中で「夏眠」するため、大きさに違いが出ることを説明した。 しかし、海水温の上昇に加え、海がきれいになり過ぎて餌のプランクトンが減ったことで「イカナゴは瀬戸内海の暮らしがすギョく大変になっている」。イカナゴが暮らしの場を移したことで瀬戸内海での漁獲量が激減していることも伝えた。 さらに、川や海の水中のごみの多さにふれ、「2050年には魚の総重量よりもプラスチックごみの総重量が上回ると懸念されている」と話した。 危機にある海を守るため、市民ができることとして「食べ物に感謝していただく」「マイバッグやマイボトルを使用してプラスチックごみを減らす」などを挙げ、「当たり前のことこそがすギョく大切」と呼びかけた。 生徒からの質問コーナーでは「味のある大人になるには」という質問に対し、「アジの身はピンク色で赤身魚と白身魚のいいとこどり。アジのようにたくさんあるあなたの魅力を生かして」とエールを送った。 同校2年の松井響大(もとひろ)さん(16)は「すごく面白かった。マイボトルの持参など、これからもおいしいお魚が食べられるようにやれることをしていきたい」と話した。(木野村隆宏)
朝日新聞社