市川團十郎、道頓堀の船上から「にらみ」披露 3000人の観衆から「成田屋!」の大歓声
歌舞伎俳優の市川團十郎が30日、大阪・道頓堀川で成田屋に伝わる家の芸「にらみ」を披露して、13代目市川團十郎襲名披露興行のラストとなる「十月大歌舞伎」(10月10~26日。大阪松竹座)をアピールした。 三升の紋を染め抜いた柿色の裃(かみしも)姿の團十郎が船で登場。戎(えびす)橋付近に詰め掛けた約3000人の大歓声に迎えられ、「一昨年5月に634メートルの東京スカイツリーでにらみを披露しましたが、道頓堀は海抜3メートル。歌舞伎の(演技法で)『六方』というものがありますが、東西南北天地という意味がございます。天と地。襲名披露の締め、大トリの大阪・道頓堀から、にらみをご披露できること、このようなありがたいことはございません」と口上を述べた。 船上から「見ると邪気が払われ、その後1年間、無病息災で過ごせる」と言い伝えのある、にらみを披露。グリコの看板で有名な大阪の観光名所は大きな拍手に包まれ、「成田屋!」の掛け声が響いた。 10月の襲名披露興行では、280年ほど前の江戸時代に2代目團十郎が大阪で「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」が大好評だったことから「大阪で『雷神不動北山櫻』をやりたいと決めておりました」。さらに長男・市川新之助と親子共演する「連獅子(れんじし)」は「東京でも度々、お話がありましたが、大阪でやりたいと思い、断っていました」と明かした。
報知新聞社