「貯金になるから」といわれて加入した「月3万円」の生命保険。10年後に内容を見たら「元本割れ」していました。もしかして営業マンに騙された? 貯蓄型保険の注意点について解説
日本は生命保険大国です。生命保険文化センターの調査によると、2022年時点の生命保険や生命共済への世帯の加入率は79.8%に達しています。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる? 一方、自分がどのような内容に加入しているかを理解している人の割合は、価格.comが行った調査によると、46.6%です。加入目的が曖昧なまま保険営業担当者に勧められるがまま加入してしまった人が多いのではないでしょうか。特に、貯金代わりにもなるという営業トークで毎月高額な保険料を支払っている人は注意が必要です。 本記事では、いわゆる積立タイプ(貯蓄型)保険に隠されたワナについて解説します。
生命保険には掛け捨てタイプと積立タイプ(貯蓄型)が存在する
生命保険は大きく分けて2つのタイプが存在します。1つが加入後に途中で解約してもお金は一切戻ってこない定期保険などの掛け捨てタイプ。 もう1つが払込期間に応じて一定のお金(解約返戻金)が戻ってくる、終身保険などの積立タイプ(貯蓄型)です。それぞれに特徴があり、掛け捨てタイプは安い保険料で大きな保障を持つことができます。支払った保険料は戻らずに満了します。 積立タイプ(貯蓄型)は期間が長くなればなるほど支払った保険料に対する解約返戻金が多くなり、商品によっては払った保険料に対して100%以上の解約返戻金が発生するものも存在します。
生命保険にかかる手数料、その他の諸経費がかかっている
貯金目的で積立タイプの保険に加入している人は注意が必要です。払った保険料は万一の保障のために使われるだけでなく、保険会社の人件費や諸経費などの手数料にも充てられます。手数料が引かれた残りが契約者への返戻金として残ります。 特に加入してから5~10年の期間は保険会社が営業担当者に支払う手数料も発生するため、支払い額に対する返戻金の割合も少なくなります。そのため、貯金目的で加入したのに、払った元本よりも解約返戻金が少ないという状況が発生することがあるのです。
払い戻しが100%を超えるのは10年以上先のケースがほとんど
自分の加入している保険がどのタイミングで100%以上の払い戻しになるか確認したい人は、新契約時に営業担当者から渡される設計書を確認しましょう。決められた利率で運用される商品であれば、その設計書に100%を超えている年数が示されています。 しかし、外貨建て生命保険などは、為替市場の変動によって設計書の見通しと実績に差が出るケースもあるため注意が必要です。また、商品によっては解約返戻金額がどれだけ保険料を支払っても元本以下になるものも存在します。