NGT48・西潟茉莉奈、グループ最年長が10年目にたどり着いたアイドル象とは
卒業のタイミング
アイドル歴は10年目を迎えた。つらいこともあった。 西潟「辞めたいと思ったことは何度もありました。何度も心が折れかけました。でも、その度に踏みとどまれたのは、ここで辞めたら後悔すると思ったからです。どんな状況だとしても応援してくださる方がいらっしゃいます。私が目標を見失って、走れなくなっていたときも支えてくださいました。ここで辞めちゃったら、応援してくださる方が悲しむと思いました。自分でやり切ったと思えるタイミングで卒業したいです」 第9回選抜総選挙(2017年)は41位、翌年の第10回は24位に食い込んでいる西潟。ファンに支えられて得た結果だ。なぜ彼女はファンを熱くさせることができるのか。 西潟「アイドルとして一番大事なことは、思いを共有することだと思っています。嬉しかったこと、悔しかったことをメール(NGT48 Mailサービス)で伝えるようにしてきました。その結果、家族みたいな存在になりました。応援してくださる方をもっと知りたい気持ちがありますし、メールの返信の文章を見ただけで、「あっ、○○さんだ」とわかるようになりました。選抜総選挙が開催されなくなった今は、一緒に楽しみたいという気持ちが強くなりました。私がパフォーマンスするうえでの信条は、常に楽しんでいただくことです」 ファンを楽しませること以外も考えないと、グループの発展はない。西潟はそう考えている。 西潟「Jリーグのアルビレックス新潟さんは平日に数万人の観客を集めて試合をしています。試合のある日は市内に大渋滞が起きるほどです。地元で愛されている証拠ですよね。私たちもいかに地元に密着していけるか、ということを考えています。農業のお手伝いをさせていただいたり、柏崎市の花火大会の応援サポーターに就任させていただいたりしていますけど、アルビレックスさんに比べれば、まだまだです。 私たちの武器は専用の劇場があることです。いかに足を運んでいただけるようにするか。そのためには、身近な存在であることが大事だと考えています。今回のシングルでも宣伝を頑張りたいですね。道を歩いていて、声を掛けられるようにならないと!」 そう考えるのは、見据える目標があるからだ。 西潟「いつかまた朱鷺メッセでコンサートがしたいです! 私たちは北原里英さんの卒業コンサートで朱鷺メッセに連れていってもらえました。同期の荻野由佳ちゃんが卒業コンサートをした会場でもあります。朱鷺メッセのステージを経験していない後輩たちがいますから、私たちが見た景色を後輩たちにも見せてあげたいんです。ファンの方の熱さがあれば、それは可能だと思っています」 最大1万人が収容できる朱鷺メッセ。満員に膨れ上がる憧れの地を夢見て、西潟は活動を続けている。幾多の困難に出会っても諦めなかったように、朱鷺メッセへの道も諦めてはいない。
犬飼 華