【巨人】リードオフマンで復活打…担当記者が選んだ丸佳浩のベストゲーム
巨人が４年ぶり４８度目（１リーグ９度含む）のリーグ優勝を達成し、球団創設９０周年の節目を飾った。担当記者が選んだ各選手のベストゲームを深掘りする。 【写真】「老い先短いから思い切ってできるんですよ」Ｖけん引役の丸 ◆４月２８日 巨人６―２ＤｅＮＡ（横浜） ［勝］堀田１勝 ［敗］上茶谷２勝１敗 チームにとっても、自身にとっても、ターニングポイントになった。丸佳浩外野手は、スタメン表の一番上にある自分の名前を見て、「そうきたか」とワクワクした。チームは球団ワーストの１３戦連続３得点以下、自身も２６打席連続無安打というどん底で迎えた一戦だった。 「あの時は僕自身も、チームもあまり良くなかった。何か変えたいという意図を感じたし、阿部監督や二岡ヘッド（コーチ）をはじめ、チームの一つのピースとしてかみ合うように、何とか策をひねり出してくれたのかなと」 １番打者は相手先発に球数を投げさせる役割も担うが、初回先頭、セオリー度外視で大貫の初球を積極的にスイングした。ライナーは中堅の正面を突いたが「打つ、打たないは別にして、『行けるぞ、行けるぞ』という雰囲気にできればと思っていました」とチームに勢いを与えた。 この一振りで自身も乗った。３回の第２打席で初球を右前にはじき返し、実に２８打席ぶりとなるＨランプをともした。「あれでつきものが取れましたね」。４回には初球を中前へ運ぶ先制打を放ち、２―２の６回には右越えへ勝ち越し二塁打。３安打３打点のベテランに導かれ、チームは６得点を挙げて１３戦連続３得点以下の不名誉な記録を止めた。 この一戦から１番に定着した丸は、阿部巨人のリードオフマンとしてシーズンをけん引。「ダメな時の方が新しいことに挑戦できる。ワクワク、ウキウキみたいな。本当そんな感じなんです」。百戦錬磨の男だからこそ、なし得た復活劇だった。（井上 信太郎）
報知新聞社
