『Re:リベンジ』における“真のヒーロー”は一体誰なのか? 美咲の身に起こってしまった悲劇
命を落としてしまった美咲(白山乃愛)
数日後、美咲の熱が下がらないことに不安を抱く陽月は、担当医の岡田に診察してほしいと海斗に相談する。美咲が書いた「元気になったらやりたいことリスト」の中の、「花火をお姉ちゃんと見る」という項目に胸が締め付けられる。「陽月の力に少しでもなれたならよかった」と語る海斗の表情も明るく、お似合いな2人であるものの、海斗には彼に思いを寄せている紗耶の存在があるからこそ複雑でもある。「先輩が好きそうなお店見つけました」と笑いかける沙耶の笑顔が、報われてほしい気持ちも捨てきれない。 しかしそんな幸せな時間も束の間、記者会見の当日、美咲の容体が一気に悪化する。陽月は岡田に診てもらおうとするが、岡田は海斗とともに会見へと向かう。美咲はついに意識を失ってしまい、そのまま命を落としてしまう。海斗は、記者会見を抜けるも間に合わず、絶望に陥る。美咲を救えなかったことへの後悔と、陽月に対する申し訳なさでいっぱいの海斗。妹を失った悲しみと、やり場のない理不尽な運命への怒りが混ざり合った陽月の絶叫が、胸に突き刺さる。「どうして美咲が死なないといけないの?」ともぬけの殻になってしまった陽月の姿が、あまりにも不憫でならない。もしも郁弥が理事長であれば、この悲劇は避けられたのだろうか。 若林から医療過誤の可能性を伝えられた海斗は、病理解剖を遺族に提案するべきか揺れる。医療過誤が本当であれば、海斗は病院の責任者として重大な決断を迫られることになるだろう。果たして次回、海斗はどんな道を選び、悲しみに暮れる陽月と向き合っていくのだろうか。 真のヒーローとは、完璧な人間ではなく、自分の弱さや欠点と向き合いながら、それでも信念を貫き通す人なのかもしれない。美咲の死の真相を追求する過程で、登場人物たちは自分自身の心の奥底にある本当の欲望や守りたいものに気づかされるはずだ。本作の真のヒーローは、一体誰なのだろうか。
すなくじら