UCCからお酒に合う「コーヒーおつまみ」新提案 焙煎豆を抽出せずに丸ごと-196℃で凍結粉砕したコーヒー食品の事業化へ前進
UCC上島珈琲は、2023年に数量限定発売したコーヒー食品「YOINED(ヨインド)」をお酒に合う「コーヒーおつまみ」として新提案する。 UCCの食べるコーヒー「ヨインド」 「ヨインド」は、焙煎したコーヒー豆を、抽出せずに丸ごと-196℃で凍結粉砕した食品であるため、抽出したコーヒーを飲むよりも香りを強く感じられるのが特徴。“飲まないコーヒー”や“食べるコーヒー”とも呼ばれる。 UCCグループが掲げるパーパス「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」のもとで開発された完全なるプロダクトアウト商品となる。
昨年、事業化を模索しながらイベントを開催し、11月に販路を絞り込んで数量限定販売開始したところ「お酒に合わせたいといったお客様の声が多く寄せられた」と小坂朋代マーケティング部ブランドマネジメント部担当課長は振り返る。 引き合いも強く、公式ECサイトでは年内の販売目標を5日で達成するなどコーヒー好きの関心を集めた。 このような手応えを受け、今年は数量を大幅に増やして11月1日から数量限定で再発売するとともに、新しい試みとして酒肴シーンに寄り添う「コーヒーおつまみ」を銘打つ。 「事業化の可能性やビジネスチャンスはあると思っているが、今年においても『コーヒーおつまみ』のコンセプトが消費者にどう響くかを手探りしていく」と述べる。 再発売にあたり、パッケージはお酒のボトルと持ち運び一緒に置けるように縦長のデザインに刷新。これにより「ワインやお酒の入った袋をギフトとして持っていく際にサクッと入れてほしい」という。
製法は従来通り。使用豆をエチオピアからキリマンジャロの豆に変更した。「とにかく心地よい酸味と柑橘系のフレーバー、野性味あふれる味わいが楽しめるのがタンザニアコーヒーの特徴」と説明する。 ラインアップは、コーヒー豆配合量40%のダークチョコレート風味の「CRAZY BLACK」と、コーヒー豆配合量15%のミルク感が強い「MELLOW BROWN」の2種類。 「ゆっくりと時間や余韻を楽しめる『ヨインド』は、カクテルのおつまみに好適。香りは人の記憶に残るため、『ヨインド』とお酒の組み合わせは、新たな飲用体験を切り拓き大切な記憶になりうる」との見方を示すのは、UCCジャパンの土井克朗係長(UCCコーヒーアカデミー専任講師)。カウンターでお酒とのマリアージュを実演した 「MELLOW BROWN」では、日本酒とライチベースのオリジナルカクテルとの組み合わせを、「CRAZY BLACK」ではラムとノンアルコールオリジナルカクテルとの組み合わせをそれぞれ紹介した。 お酒との組み合わせによりホテルやバーといった業務用市場の開拓も視野に入れる。 小坂課長は「やみくもに販路を広げるつもりはなく『ヨインド』の魅力や先進性が伝わる業態で売っていきたい。特にバーテンダーと会話やお酒とともに『ヨインド』を楽しめるバー業態には適している」とみている。 ユーザーが広がる可能性もある。 「昨年はコーヒーへの探求心がとても強い方にご好評いただき、コーヒー好き以外の方に情報が届いたときには売り切れという状態になっていた。今年もコーヒー好きの方はもちろん、お酒との相性を訴求し、コーヒー好き以外の方にも届けていきたい」と意欲をのぞかせる。 販売期間は2025年4月15日までを予定する。この期間設定は、常温流通できる期間であることも加味されている。 10月22日からは、UCCカフェメルカード、COFFEE STYLE UCC、上島珈琲店、UCC公式オンラインストアで予約受付を開始している。数量限定のため、なくなり次第販売終了となる。 価格は税込2700円。「CRAZY BLACK」と「MELLOW BROWN」3枚ずつがセットになっている。