【ギャンブル依存症】当事者が語る実態「体と手が止まらない」大切な家族さえ後回しで借金「どんどん孤独に」オンラインギャンブルの相談が増える現状も
大切なものさえ後回しにしてしまう自分をなんとかしたい。西野さんが助けを求めたのは、ギャンブル依存症の支援団体でした。 多くの支援団体では、ギャンブル依存症の人たち同士で悩みや葛藤を共有することを目的に、定期的なミーティングを行っています。 西野さんも、こうしたミーティングに参加し自分を見つめなおしてきました。 ■西野さん 「自分が思っていた気持ちや苦しさを打ち明けることで共感してもらって、少しずつ落ち着いて、僕だけじゃなかったんだなというのが分かるようになって。」 それでも、再びパチンコに向かってしまったという西野さん。まもなく仕事を休職し、回復施設に入ります。
ギャンブル依存症をめぐっては、コロナ禍以降に変化があったといいます。そう話すのは、ギャンブル依存症の家族でつくる団体で、福岡の代表を務める村田麿美さんです。 ■全国ギャンブル依存症家族の会福岡・村田麿美代表 「オンラインギャンブルの相談が増えている。特に若い人たちがのめり込んで犯罪にもつながるスピードが早い。」 若い世代を中心にオンラインのギャンブルをめぐって相談が増えているといいます。去年、福岡市で強盗事件などを起こしたとして実刑判決を受けた20代の男は、裁判長から「オンラインのギャンブルに入れあげて困窮し、金品を強奪しようとした」と動機を指摘されていました。 ■村田代表 「依存症というのはどんどん孤独になっていく。自分と同じ経験をした人たち、その人たちの中にいること、それがこの依存症からの回復、これしかない。」 家族や、同じ経験をした仲間と共に回復を目指すギャンブル依存症。それでも、やめたくてもやめられない病から完全に抜け出すのは容易なことではありません。
改めて整理します。厚生労働省によりますと、 ▽ギャンブルをしないと落ち着かない ▽興奮を求め賭け金が増えていく ▽ギャンブルのことでウソをついたり借金したりする こういった症状があれば、ギャンブル依存症が疑われるということです。
県や福岡市などはギャンブル依存症の人を対象に相談窓口を設けています。一人で抱え込まず、まず相談してみてください。 ▽福岡県精神保健福祉センター 092-582-7500 ▽福岡市精神保健福祉センター 092-737-8829 ▽北九州市精神保健福祉センター 093-522-8729