安倍派を介錯する覚悟から一転…自民党・宮澤博行 衆議院議員が“切腹” 潔く見えるも身勝手な国政退場【静岡発】
「しゃべるな!しゃべるな!」は演出?
ただ、内情としては“選挙対策”であった可能性が高い。 実は宮澤議員は2021年の衆議院議員選挙で、4期目にして初めて小選挙区で敗れたことで比例復活に甘んじていて、現に周囲に対して「こうでもしなければ勝てないから…」と口にしていたというし、宮澤議員の関係者は、かん口令の話自体にも疑問を持っていて、「本当は口止めなどなかったのではないか?」とすら話していた。 また、後に収支報告書に不記載だった132万円のうち114万円は、派閥からの指示とは関係のない“中抜き”によるものであることが明らかになり、「慣習の中でやってしまった」と釈明している。
派閥に責任押し付ける姿勢に同僚は…
こうした中、年が明けても“絶口調”だった宮澤議員。 自民党が政治刷新本部を設置すると、今度は「同志や国民に迷惑をかけている以上、清和政策研究会は解散するべき。私は派閥に残り、派閥を介錯する。安倍派を介錯する」とぶち上げた。 しかし、良いか悪いかは別として宮澤議員が政務官になれたのも、副大臣になれたのも安倍派の後押しがあったからであることはまぎれもない事実であり、自身も裏金疑惑の当事者でありながら、すべてを派閥の責任とするかのような身勝手な姿勢は同僚議員の怒りや失笑を買い、県内選出の国会議員によれば、この頃から国会内で宮澤議員に話しかける議員はほとんどいなくなったそうだ。
辞職願は突然に…事前に誰も知らされず
それから3カ月が過ぎた4月23日午前。 宮澤議員は磐田市にある自身の事務所に立ち寄ると、秘書やスタッフを前に涙ながらに謝罪しながら辞職する考えを告げた。翌々日に発売予定の週刊誌に女性問題が掲載される見通しになったからだという。 そして、その足で東京へと向かい、衆議院の額賀福志郎 議長に辞職願を提出した。 関係者によれば、事前に相談を受けた秘書やスタッフ、さらには支援者はおらず、まさに寝耳に水だったそうだ。 衆議院といえば、常に解散の可能性をはらんでいることから“常在戦場”と称される。それだけに秘書やスタッフも突然に仕事を失うリスクがあることは重々承知しているはずだが、まさかそれが自分たちの仕える議員の不祥事によってやってくるとは夢にも思わなかっただろう。 もちろん、宮澤議員は秘書やスタッフの今後の処遇について何の手当もしていない。 振り返ってみると、前述の裏金事件に関わる“暴露”をした時も、宮澤議員は事前に秘書やスタッフに何も伝えておらず、事務所はわけもわからないまま問い合わせへの対応を余儀なくされるなど混乱を来した。 辞職願を提出した後の宮澤議員に話を聞くと、女性スキャンダルが辞職の要因であることは認めながらも詳細な説明は避け、「迷惑をかけた」「申し訳ない」と繰り返すばかり。 確かに、不祥事を起こしながらもその座にしがみつく国会議員が多い中、いち早く辞職という道を選んだこと自体は評価する人もいるだろう。 とはいえ、宮澤議員が23日夜以降、雲隠れ状態が続く中で、様々な問い合わせなどへの対応を余儀なくされている秘書やスタッフ、そして長きにわたって宮澤議員を支えながらもいまだ本人から何も説明してもらっていない支援者のことを思えば、あまりにも身勝手な身の引き方なのではないだろうか。 (テレビ静岡)
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