AOI／東京都出身。10月13日生まれ

’23年４月から約半年間にわたって行われたオーディション『IDOL3.0 PROJECT』を経て結成された秋元康総合プロデュースのアイドルグループ「WHITE SCORPION」（ホワイトスコーピオン）。 【画像】か、可愛い…！AOIの美スタイル際立つニーハイブーツ姿 ’23年12月７日に配信シングル『眼差しSniper』でデビュー。 毎月新曲を発表し、３月７日に４th配信シングル『雑踏の孤独』を、４月７日には５th配信シングル『Satisfaction graffiti』をリリースした。 そんな彼女たちのパーソナルな素顔に迫るスペシャル連載。 連載最終回となる第11回は、AOIのロングインタビューをお届け！ ◆=LOVEのMVに心奪われ、アイドルを目指す ──小さい頃はどんな女の子でしたか？ 「３歳からクラシックバレエを習っていて、発表会を毎回楽しみにしていました。ステージに立って、人前で何かを表現することが大好きな女の子だったと思います。母が舞台好きということもあり、小学生の頃はミュージカルに触れることも多かったです。母と一緒に、宝塚歌劇団や劇団四季の舞台をよく観に行っていた思い出があります」 ──自分もステージの上でキラキラ輝く存在になりたい、という思いがあった？ 「歌って踊ることが大好きだったので、将来はたくさんの人の前でパフォーマンスをする仕事に就きたいと思っていました。それで、宝塚音楽学校を受験するために、小学５年生から養成スクールに通っていたのですが、中学２年生までの４年間で身長があまり伸びなくて……。身長を伸ばす効果がある、と評判のサプリを毎日飲んでいたんですけど（笑）」 ──受験時に身長の規定がある？ 「身長制限はないので、小柄な人も受験することはできるんですけど、スクールの先生に『あなたは別の道のほうが輝けると思う』と言われて。結局、宝塚を受験するのを諦めてしまいました。その先生には『映像系が向いている』とも言われて、ドラマや映画のオーディションを受けたこともあったんですけど、なかなかいい結果を残すことができませんでした」 「人生の目標を見失ってしまい、落ち込んでいた時期だったと思います。何気なくYouTubeを見ていたら、=LOVEさんのミュージックビデオが目に飛び込んできたんです。『Want you! Want you!』という楽曲で、サムネイル画像のきらびやかな雰囲気に惹かれて再生ボタンを押しました。可愛い衣装を着て歌って踊るメンバーさんたちの姿に目が釘付けになって、一瞬で心を奪われました」 ──特に気になった=LOVEのメンバーは？ 「最初は齊藤なぎささんの可愛さに惹かれたのですが、ミュージックビデオをよく見ると、ダンスも上手くて表情がすごく豊かなメンバーさんがいることに気づきました。あとで調べてみたら、野口衣織さんという方だとわかりました。すぐにほかのミュージックビデオも見てみたら、『……え!?　同一人物？』と思ってしまうほど、別人のような野口さんが映っていました。いろんな表情を見せられる野口さんの表現力に圧倒されてしまい、気づいたらどっぷり沼にハマってしまっていました。もしこのタイミングで=LOVEさんのミュージックビデオを見ていなかったら、私はアイドルを目指していなかったと思います」 ──=LOVEがきっかけでアイドルのオーディションを受けようになる？ 「たくさん応募しました。48グループさん、坂道シリーズさん、ハロー！プロジェクトさん、声優アイドルユニットも受けたことがあります。ただ、オーディションでは最終審査まで残ることはあったんですけど、結果は不合格。毎回『何がダメだったんだろう』『自分には何が足りないんだろう』と思い悩むことが多かったです」 ──何度も挫折を経験しているんですね。 「アイドルになる夢を諦めたほうがいいんじゃないかと思ったこともあります。本当に絶望して、大好きな=LOVEさんの活動も追えなくなっていたんです。見るとしんどくなってしまうので。それでしばらくアイドルと距離を置いていたのですが、高校を卒業するタイミングで『IDOL3.0 PROJECT』が発表され、WHITE SCORPIONのオーディションが開催されることを知りました。そして、『このままじゃダメだ。可能性がある限りは挑戦しよう！』と気持ちを奮い立たせて、オーディションを受けることを決心しました」 ──オーディションではどんなことをアピールしましたか？ 「公開オーディションが２回あったのですが、１回目の時は、自分の生い立ちから今までを振り返って、なぜアイドルを目指すようになったのかをアピールしようと思っていました。でも、それだとインパクトがないので、ミュージカルのモノローグ風に、自分で自分のことを紹介しようと思いました。ただ、それをやろうと思ったのが公開オーディションの直前だったので、急いで台本を書いて、暗記しなきゃいけなかったんですけど（笑）」 ──熱のこもった独白が、審査員の胸を打ったのかもしれません。 「トップバッターだったのですが、会場から『おぉ～』という声が聞こえました。２回目の公開オーディションでは、私たちのデビュー曲『眼差しSniper』を替え歌にして、自分の自己紹介ソングにして歌いました。好評だったのですが、今でもたまにメンバーにイジられます（笑）」 ──オーディションの手応えは？ 「これまで、あと一歩のところで届かないことが多かったので、自信はなかったです。また最終審査で落ちるんじゃないか……という不安も頭をよぎりました。どんどん合格者の名前が呼ばれていき、『今回も最後の最後で落ちる運命か……』と諦めかけた瞬間、10番目に自分の名前が呼ばれたんです。驚いたと同時に、涙が溢れて止まらなかったです」 ──諦めずに挑戦を続けてよかったですね。 「本当によかったです。ステージ上でたくさんの人の心を動かせるようなパフォーマンスをしたいと、小さい頃からずっと思っていたので、やっと夢のスタートラインに立つことができました。私の母も、昔からずっと『自分のやりたいことを精一杯やってほしい』と言って応援してくれていたので、本当によかったね、って喜んでくれました」 ──WHITE SCORPIONの活動がスタートして、どんな日々を過ごしていますか？ 「オーディションを受けていた時は想像していなかったくらい、充実した毎日を送っています。レコーディングや撮影など初めて経験することばかりで、緊張や不安もありますが、それ以上に楽しい気持ちがまさっています」 ──毎月シングルが発表されるので、振り付けなど覚えることが多くて大変なのでは？ 「曲調も毎回ガラッと変わるので大変ですが、曲ごとにいろんな表現にチャレンジできるのが楽しいです。私は感情の表現が豊かなほうで、リアクションが大きいってよく言われるので、自分のそういう部分を活かせたらいいなと思っています。たとえばデビュー曲の『眼差しSniper』では、ずっとキリッとした決め顔をしているわけではなく、曲の中で表情をコロコロ変えるように意識しているんです」 ──自分の持ち味や、自信を持って表現できるポイントは？ 「３歳から習っていたクラシックバレエの経験を活かして、ダンスのしなやかさに注目してもらえたら嬉しいです。それからオーディション期間中、ファンの方に『声が好きで癒やされます』とか『話し声が心地いい』と言ってもらえることが多かったんです。それまで自分の特徴的な声があまり好きじゃなくてコンプレックスだったのですが、ファンの方に褒めていただけたことで、『自信を持っていいんだ』と思えるようになりました。今後はWHITE SCORPIONの“癒やし系担当”になれたら（笑）」 ◆ファンの方から『眠くなるひと言をください』と…… ──メンバー11人の中ではどんなキャラですか？ 「わりと抜けているタイプかも（笑）。めっちゃ方向音痴なんです。東京都出身なのに、地下鉄の出入口がわからなくてすぐ迷子になっちゃうので、毎回、地方出身のメンバーに『お仕事の現場に辿り着けないから一緒に行って』ってお願いしています。あと、お仕事で行ったスタジオでも迷子になっちゃいます。ちょっと離れたら元の場所に戻って来られなくなるので、うろうろ歩き回っている私をスタッフさんが回収してくれます（笑）」 ──根がまじめな頑張り屋という印象を受けます。 「頑張りすぎてしまうところはあるかもしれません。特にオーディション期間中は、完璧にやらなきゃいけない！　という意識が強かったです。でも完璧になんてできないし、そんな自分が嫌になって……泣きながらSNSで生配信をしたこともありました」 ──自分を見失ってしまった？ 「オーディション期間中はそうでした。でも今は『こういうキャラでいくぞ！』みたいに、本来の自分とかけ離れたアイドル像を無理して演じることは全くないです。むしろ、すべてさらけ出しているような気がします（笑）。そうやって無理することなく自然体でいれば、活動の中でだんだん“自分らしさ”が出てくるはずだし、そういう素の部分を好きになっていただけたら嬉しいです」 ──あざといことやぶりっ子な仕草に照れはありますか？ 「求められれば全力でやります！　どんとこいです！　そういえば握手会では、ファンの方に『眠くなるひと言をください』ってお願いされたことがありました。どうやら私の声が眠気を誘うらしくて……。メンバーにも『AOIと話していると眠くなるんだよね』ってよく言われます（笑）」 ──歌声も癒やし系ですか？ 「最初はふわっとした感じでしたが、最近はメンバーに『歌い方が変わったね』『力強い声になった』と言われました。楽曲によって声の表情も変えることができたらいいなと思います。もし今後、キュンキュンするような王道アイドル曲を歌うことになったら、その時は全力で可愛い声を出したい！　いろんなタイプの楽曲を歌っていけたらいいなと思っています」 ──グループとしての今後の目標を教えてください。 「夏のアイドルフェスに出演したいです。いろんなアイドルさんのファンの方にWHITE SCORPIONを知っていただけるチャンスだと思うので、そこでたくさんの方の心を引きつけられるようなパフォーマンスをして、強烈なインパクトを残したいです！」 PROFILE AOI 10月13日生まれ、東京都出身 趣味：散歩・アニメとドラマ鑑賞・舞台鑑賞 特技：ローリング・まつ毛を二重幅に食い込ませること・似ている人を探すこと 取材・文：宮田英一郎