シューターとして大きな転機となった昨シーズン、広島ドラゴンフライズ・山崎稜が期待するチームの進化
2023-24シーズン、 『下剋上じゃけぇ』を現実のものとした広島ドラゴンフライズ。短期決戦で抜群の安定感を見せ、平均得点13.9点を稼ぎ出した山崎稜は、チャンピオンシップMVPを獲得した。ここでは開幕直前に聞いた山崎の新シーズンへの思いをお送りする。(全2回/1回目) 【写真】新シーズンからチームを率いる朝山正悟HC ―チームは昨シーズン、ワイルドカードからチャンピオンシップ(以下CS)に進出。見事優勝を果たしました。山崎選手ご自身もCSのMVPを獲得する活躍でした。 「レギュラーシーズンもスタッツが特別良かったわけではないのですが、出場試合数もプレータイムも増えましたし、スターターで出ることも多かったので、そこは伸びたかもしれません。CSに入ってからは3ポイントシュートの確率も平均得点も一気に伸びて、自信になりました」 ―ブースターにとっても、非常に頼もしい存在でした。 「どのチームも、シューターと呼ばれるポジションの選手は日本代表に呼ばれる選手や代表経験者が多いんです。僕自身はそうした選手に比べると知名度では劣るかもしれませんが、だからこそ『負けたくない』という気持ちはありました。それまではサブでの出場が多く、プレータイムも長くなかったのですが、『もっと出場できればしっかり結果を残せる』と思っていたので、昨シーズンは出場試合数やタイムが増えて、結果も残すことができて良かったと思っています」 ―10月には、いよいよ新体制でのシーズンが開幕しました。 「CSの後は多くのメディアに取り上げていただいたり、『バスケットボール チャンピオンズリーグ アジア』出場のためにドバイに向かったりと慌ただしい日が続きました。オフも1カ月程度と短いものだったのですが、そのおかげで、逆に良い感覚を保てていた気がします」 ―朝山正悟ヘッドコーチ(HC)率いる新体制では、オフェンス強化や試合のペースアップなど、新しい取り組みも多いと聞きます。 「朝山HCがすごく良い雰囲気をつくってくれていますし、今年は特に年齢が若い選手が多いこともあって、チーム全体で声を出しながら和気あいあいと練習できています。雰囲気はすごく良いと思いますね。プレースタイル自体は去年とはガラッと変わるので、シーズンを通してどれくらいできるのか、相手チームに対して通用するのかというのも楽しみです」 ―改めて、山崎選手がバスケットを始めたきっかけを教えていただけますか。 「両親がバスケット経験者だったことと、子どもの頃、さいたまスーパーアリーナで行われた『スーパードリーム2000』という世界大会を観戦したのがきっかけです。ダンクシュートなどの派手でかっこいいプレーを見て憧れました。実は、もともと僕はサッカーをしていたんです。バスケットも多少は触れていたんですが、その大会をきっかけにミニバスのチームに入って本格的にプレーするようになりました」 ―当時、憧れの選手はいましたか? 「ビデオなどをよく見ていたのはNBAで活躍していたアレン・アイバーソン選手やドウェイン・ウェイド選手です。カットインしていくプレーや、相手を煽るような『やってやったぞ』という姿が、すごくかっこいいと思っていました」 (2回目に続く)
広島アスリートマガジン編集部